白「最近なまえ、学校も部活も来てないけど、財前なんか知らんか?」
1日、2日、連絡が取れないのはよくある事だが、かれこれ5日程経つ。
財「さぁ・・・・?なんも聞いてないっすけど、多分・・・・・」
全「「「「「「・・・・・またか。」」」」」」
四天宝寺中テニス部員は顔を見合わせため息を吐いた。
白「どうしようか・・・・。」
忍「もう地区大会も近いししばらく放置でええんちゃうか?」
一「お前、アホか。あいつは放置したら中々出てこやんぞ。」
部員達は多分、またひきこもりだろうと予測した。
千「こんな時期にひきこもるとはきっとよっぽどの事があったんちゃー。」
小「きっと大した事ちゃうと思うわ。」
ひきこもりのマネージャーの扱い難さは酷いものである。ある意味単純なのだが、ひきこもったら中々出て来ないから困ったものだ。
遠「またなまえ、ひきこもったんか!あいつしょっちゅうやな!」
といいながら呑気に笑ってる金ちゃんとは打って変わって上級生は、困り顔だ。
白「うーん、とりあえず今日は部活終わってから財前が様子見てきてくれんか?」
財「了解っすわ。」
白「悪いなあ、財前。」
白石が苦笑いで財前に礼を述べた。
財「いやいや、悪いのアイツっすから。」
翌日、財前はダメダメマネージャーの家に行った結果を報告していた。
財「昨日、アホの家に行ったんですけど、誰もおらんし、電話も出やんし、家の電気も全部消えてるんっすわ。学校も来てないし・・・・・・。」
忍「ちょぉーと、それやばないか?アイツんちの親もおらんのんか?」
一「財前の親も知らんって?」
財「いつもやったら、なまえの親おるんっすわ。誰かおる気配ないし、うちの親も分からん言うし・・・・。」
白「とりあえず部活終わってから、みんなで様子見行こうか。」
ピーンポーン
金「誰もでやんねぇ・・・」
忍「そーいえば財前の部屋からなまえの部屋渡れるんちゃうんか?」
白「財前、様子見て・・・・」
一「ちょぉ待て。メーター回ってんで。」
メーターの確認に行った一氏がみんなを制止した。
「「「「・・・・家にはおるみたいやな。」」」」
ピーンポーン
一「佐○急便でーす。」
声色を変えて一氏がドア越しに言った。
ピーンポーン
一「佐川○便でーす。」
「はい、はい。」
ガチャ
白「金ちゃん、確保ーー!」
遠「任しときぃー!」
「え!何事!?」
確保された駄目マネージャーは、リビングで正座させられて、部員に囲まれている。
「ひきこもってた訳ちゃうねん!親が旅行行ってもうて、起きれんくて学校サボってた訳ちゃうねん!」
財「はい、シバく。」
ビシィぃ!
マネージャーの頭を叩いた財前を誰も止めない。
「ちゃうねんって!ホンマに!ただ、ベッドから出るんめんどくさくなってん!」
白「財前、やれ。」
ビシィィ!
「痛い!叩くなや!」
遠「黙ろか?(黒笑)」
「金ちゃんんんんん!?」
千「なまえが悪いったい」
石「擁護のしようもないわ」
「え、銀さんも千歳もヒドない?」
財「うるさい、駄目人間」
「すんませんっしたあああ」
綺麗な土下座が決まった。
白「明日から来るな?」
「え、めんどく」
白「来るよな?」
「行きますううう!喜んで行きますううう!」
遠「でも、ワイ前から思ってたんやけどな、なまえってこんなにめんどくさい奴やのに、なんでみんなそんな部活来てほしいん?来やんでもなんも変わらんやん」
「「「「「金ちゃんんんん!?」」」」」
やばい、という雰囲気を醸し出した、部員達は必死でフォローを始めた。
千「そ、そんな事ないったい!」
白「せ、せやで!なまえ!お前おらな部活出来やんからな!」
忍「お前以外にお前らのマネージャーは務まらんからな!」
俯く駄目マネージャーの表情は見えないが、ものすごく大変な事態だ。
「もういいもん・・・・。もういいもん!!」
駄目マネージャーは立ち上がり、そのままリビングから走って一番近くの部屋に飛び込み鍵をかけた。
それを全員追うが、間に合わない。
「全員帰れや!!どーせみんな金ちゃんと同じ事思ってんやろ!ホンマに引きこもってやる!二度と顔見せんなや!」
金「なまえちゃん!アタシらはそんなん思ってないで!」
一「なまえおらな、誰が雑用すんねん!」
「私、雑用係ちゃうもん!!」
金「ゴルアアア!一氏何いらん事言うとんじゃあ!アホンダラア!いてこますぞ!」
一「す、すまん。」
財「先輩ら、そんなんやってる場合ちゃいますよ。」
「お前ら全員、うちの家から出てけやぁ!!」
白「と、とりあえずなまえの無事は確認出来たし帰ろうか!」
忍「せ、せやな!」
財「お前、いい加減にしろや!」
「「「「・・・・・ん?財前(光)?」」」」
「なんやねん!光のアホ!お前なんかに何が分かるんや!」
財「ひきこもりの気持ちなんて分かるわけあらへんやろ!わかりたくも無いわ!」
「光のあほぉぉぉ!」
財前を殴る為に鍵を開けて出てきた駄目マネージャーの拳を財前はヒラリとかわしてマネージャーを抱き留めた。
財「はい、捕獲ー。」
「「「「おお・・・・・。」」」」
周りで一連の出来事を見ていた人間は感嘆をもらした。
一「さすが財前!」
金「すごいわーん!」
財「先輩らうるさいっすわ。で何があったんや?何か言われたんか?何か嫌なことあったんか?」
グズグズと泣きながら首を振るだけのなまえに財前は、ため息をついた。
財「ほんなら明日からちゃんと来れるな?」
「ぃゃゃ・・・・。」
財「んなら何があったか言うか?」
「・・・あんな・・・・。」
「なんか最近よう物なくなるわ・・・・ま、えっか。」
「上靴・・・・、ないし。」
「上から水降ってきた。」
「うわ、嫌がらせの手紙や。」
財「で、嫌がらせが続いて学校行きたないってなってたところに、おばちゃんらの旅行で引きこもった、と?」
「うん。」
忍「学校でずっと誰かと一緒におったら嫌がらせに遭わんのんとちゃうか?」
白「アホちゃうか?俺らがなまえに構い過ぎるから嫌がらせ受けんたやろ。」
忍「あ!そうか!」
「てゆーか、あんたら金ちゃんが言うた事なかった事にしようとしてるやろ。」
『『『ドキッ!』』』
「大体、金ちゃんが言うてる事女の子らも思ってるから嫌がらせされんのやろ?もうマネージャー辞める!!」
千「なまえおらんかったら誰がマネージャーするったい。」
「あんたらの事大好きな女の子達。」
忍「お前にしか出来ん仕事があるやんか!」
白「せや!お前にしか出来ん仕事!」
「例えば?」
一「俺らのデータと他校データ!」
千「テーピングもなまえより上手い奴はなかなかおらんったい!」
「うん・・・・・、」
金「ドリンクの分量も身体に一番いい分量分かってるんは、なまえちゃんやしね!」
遠「え、あのうっすいドリンクなまえが作ってたん!?」
「「「金ちゃんんんん!?」」」
財「あの薄さが一番ええんや、それにうちにはなまえ以外作れる人おらんねんで」
「光・・・・・・・。
いっつも、なまえせ・ん・ぱ・い!って呼べ言うとるやろぉぉぉ!」
財「うっさ。今さらやんけ。」
千「なまえが単純でよかったばい。」
白「それは、ホンマ思うわ。」
「そこ!聞こえとんねん!
まあ、・・・明日から学校行ったるし、お前らのマネジメントもしたるわ!
ただ、お前ら、全力であたしの事嫌がらせから守れよ!」
財「うっさいわ、ダメージャー。」
「ダメージャー!?何、ダメとマネージャーかけとんねん!あんたらも笑うなや!
ま、全国で優勝するまでよろしくな!」
「「「「当たり前や!」」」」
――――――――
説明がなければ分からない私の短編小説(笑)
要するに、みんな、ダメージャーな彼女が居ないと寂しいって話ですね。
金ちゃんは、ダメージャー大好きだけど、みんなが彼女に構うからちょっと寂しいんです(笑)
最後までお付き合いありがとうございます。
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モドル
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