白石SIDEの謙也君と幼なじみの関係です。

――――――

「謙也。」

「謙也。」

「謙也。」


いっつもこれや。

そばで見とる俺もびっくりなくらい。

名前はいつでも謙也ばっかり。

「謙也、また彼氏に振られた。」
「いつまでも謙也離れしやんからやろ?」

「蔵ノ介に言うてない」
「んー、そうか、彼氏に振られたんかー。その男が悪いんで名前が悪いんちゃうで?」
「ありがとう、謙也。でもアタシ、謙也がおればそれでいいねん。」

こいつが謙也離れ出来やん理由は多分謙也がこいつを甘やかすからやな。

前に謙也と遊ぶ約束してて謙也の家行ったら当たり前みたいに名前が謙也のベッドで寝てた。

お互いそれが当たり前で何とも思ってない様子やった。コイツらは生まれた時から一緒で、きっと、兄妹みたいな感覚なんやろうか?

それにしては近親相姦的な危うさが漂うこの関係を打破してまで、コイツらと長く付き合う恋人が現れるんやろうか?

「けんやー。女友達出来んかったから修学旅行一緒におってな。」
「名前、全然女友達作ろうとしてなかったやん。俺らの部屋まで一緒には出来んけど、他は一緒でも大丈夫やろうな。」

名前に女友達ができへん理由なんか皆分かってるくせに、よう言うわ。
そんなん、謙也にべったりで俺とも一緒におって、作る彼氏は学校の人気者ばっかり。嫉まれてるんや。

「修学旅行沖縄かー。楽しみやけど謙也と部屋別なん嫌やわ。」

「仕方ないやろ。」

「うん。仕方ない・・・・」


きっとコイツは一生謙也離れ出来へんのやろうな。

さっさとコイツら2人が付き合ってしまえば終いやのに、って思う事も、あるけど多分名前と謙也は恋愛関係で結ばれるのが嫌なんやろうな。

やってる事とか行動は恋人同士より全然親密で危ういけどその関係はきっと至って健全。


はぁ、ややこしい奴らやわ。


 





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