「今日、俺んち親おらんから俺んち来いよ。」
「部活は?」
「休みや。」
と、いうことで初めて彼氏の家に行きます。


「まあ、くつろいでて。なんか飲み物取ってくる。」

放課後、私は財前の部屋にいた。
案外綺麗にしてるな、という印象を受けるシンプルな部屋。

「うん、わかった。」

・・・・・・がちゃ、ばたん。


「よし!」

・・・・初めて彼氏の部屋来てする事なんか決まっている。


エロ本、エロビ、探しだ。

きっと財前はベッドのマットレスと布団の間なんかに挟んでるタイプだ、と、私は踏んだ。

「・・・・・無いな・・・・。」

しばらく探しても出てこない。

いや、わかっている。財前は意外と王道ベッドの下、タイプだ。

「・・・・あるわけな・・・・ぃ・・・・・あった。・・・って!王道過ぎるだろ!内容は、とっ。」

巨乳モノ・・・・。

私は制服の衿首の間から自分の胸を見る。

「何も見なかった事にしよう。・・・次は、・・・。」

SM・・・・・。

これも見てない事にしよう。しかも男がMだと思われる。

教師モノ。

財前は意外とMなのか?

何冊か見てるうちに驚いた事がある。

「・・・10冊中6冊が初音のミクちゃんの同人誌やん・・・」

がちゃ、

ドアが開いたので目をやれば、飲み物とお茶碗をお盆に乗せた財前が固まっている。

「「・・・・・・・・・・・。」」

無言が空間を制した。って言うか無言で財前が睨んでくる。怖い。超怖い。
思わず先に目を逸らしてしまった。

「お前、何してんねん!」

ここは嘘はつかずに素直に言うべきだと私は判断した。

「え、宝探し。」
「ふざけんなよ!!」
「え、何怒ってるん?本来少女漫画だと私が怒る役なんだけど、生憎私はエロ本肯定派なんだ。」
「そんなん知らんしな!ってかお前が腐女子ってくらいどうでもいいわ!」
「え、知ってたん?!私そこにびっくりやわ!」
「知ってたも何も、お前テニス部見学してる時、妄想してるやろ!バレバレやねん!とりあえず返せよ!」
「エロ本?大丈夫。返すよ。見たかったら自分で買うし。あ、でもエロビは貸してーや。」
「まじでふざけんな!!」

「だから、何を怒ってるんよ。とりあえず」

  AV鑑賞会しようや

(お前まじでなんやねん!)
(大丈夫、財前が例えMっ子でも)(財前の事好きやで)
(ハァッ?!)
(・・・・それはそれで美味しいし)
(おい、聞こえてんねん。)



――――続き(笑)

「しょぼーん。(´・ω・`)」
「・・・・・・(ちょっと可愛いとか思ったら負けやで、俺!!)」

「しょぼん。(´・ω・)」

「・・・・・あああ!もう!なんやねん!」

「勝手に宝探ししてゴメンなさい。」
「おん。」

「次からは財前に言うてから宝探しするわ!」
「うん、違うな。色々と間違えてるな。っんまに・・・、とりあえず善哉食うぞ。」
「やっぱりお茶碗の中は白玉善哉やったか。」
「当たり前や。残したらシバくから。」

「・・・・あい・・・。」

 






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