沖縄出身やけどめんどくさいから平古場君は途中からほぼ関西弁ないし標準語を話します。

イメージを崩したくない方は読まないで下さい。

完全な自己満です

―――――――――

砂浜をザクザクと歩くと砂が靴に入る気がして、そっと足を軽くするように歩く。

「あー、星が綺麗だ。空気も綺麗。」


誰もいない浜辺を歩くだけで、普段とは少し違う事にドキドキする。

目線を星から前へ戻すとキラキラと輝くような髪の毛の少年が前から歩いて来る。

「白石君みたいやな・・・」

幼なじみと仲のいい彼の名を、ボソリと呟くと少年も顔をあげて、私に気付いたようだ。

どちらが言うでも無く浜辺に座って話をする。

「何歳?」

「15歳。中3。」

「同い歳か。」

「ぬーしようと?」

何言ってんだこいつ。と思いつつこれが沖縄弁とは名ばかりの沖縄語か、と納得しつつ"何をしているのか?"と聞かれたであろうと思いそれに対する答えを返す。

「浜辺で星見てる。」

「そんな事わかっとる!うんぐとぅ時間んかいいなぐちゅいでぬーそぅーが?ぬーしんかいうちなー来ちゃみ?やーやまとんちゅうじゃろ?」

いや、これは無理だ。こいつには日本語と言うものが分からないのか?

「標準語、話せるやろ?それ、キャラ作りなん?」

「キャラ作りじゃないさー。俺の周りの人間がみんなうちなーぐちさ、話すから俺もうちなーぐちになる」

うちなーぐち、きっと沖縄語を指すのだろう。

「で、さっきなんて言うたん?」

「こんな時間に女一人で何してる?ぬーしにうちなー来た?お前本土の人間じゃろ?」

「修学旅行。」
「どぅしは?」
「どぅし?」
「友達の事さー。」

「友達は・・・・、幼なじみはきっと楽しくホテルでみんなに囲まれてるよ。あたし、ちゃんとした友達いないしね。」

「なら、わんが友達なっちゃる!わんは凛。」

「凛ね。私は、名前。」

「よか、名前じゃ。」

そう言って笑った凛の笑顔にキュンとした。今までに感じたことのない感情に疑問を抱いたけれどもスルーした。

「しっかしやまとんちゅうや、派手っちゃー。修学旅行で飛行機乗る場所んかいちゅーさんか。」

「飛行機乗る場所って、別にいまどき珍しくもなんともないやん。自分はどこ行ったん?」

「自分?」

そういえば、自分、と言って通じるのは、関西圏だけだと侑士が言っていたな、と幼なじみをふと思い出しながら言い直す。

「あんたは、修学旅行どこに行ったん?」

「大阪。」

「似たようなもんやん。」

「まあな。大阪の人間?」

「おん。・・・・・ホテル戻らな、消灯やわ。」

私がいなければきっと先生が幼なじみに言うて、心配をかける事になる。

「明日もここにおるさー。」

「気が向いたら来るわ。」

「やぁさ、絶対来るっちゃー。」
「わからんやん。」

なんて言いつつ私は明日もきっと来る。
だって、この鼓動の正体に気付いているから。



人はこれを吊橋効果と言う。






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