弱死ネタ

ジロちゃん不憫。

―――――



「おい、起きろ、ジロー。」

出来れば今はそっとしてて欲しかった。

「全く仕方のねぇやつだ。」

フワリとかけられたモノからは跡部の優しいスミレの匂いがした。
大好きで大っ嫌いな匂いだ。

タヌキ寝入りがばれているのかいないのかは分からないけど、何も言わない跡部はやっぱり優しい。
思わず泣きそうになったのを必死で堪えて跡部がいなくなるのを待った。


「・・・・・ン・・な・・・・・ジロー。」


完全に跡部がいなくなったのを確認してから身体を起こす。

「謝らないでよ・・・。優しくしないでよ・・・・。」

跡部がいつも通り優しいから、跡部の事嫌いになれないんだ。


「ゴメン・・・な、・・・ジロー。」


いつもバラ香りを纏い、俺様で、厳しくても、優しい跡部が俺は嫌いなんだ。

だって、君を、君の心をさらって行ったから。

「ジロー。」

いつも優しくて、柔らかい君が大好きだった。
いつも綺麗な君が大好きだった。
儚くて消えてしまいそうな君。

君の最期はやっぱり儚かったね。
大好きだったよ。


君が特別に思っていた跡部を嫌いになれたら、どんなによかったか。

跡部が特別に思っていた君を嫌いになれたらどんなによかったか。

スミレの香りを纏い、俺を起こしに来てくれた君は、もういない。
君がいなくなってから、まだ一度も泣いてないんだ。


「・・・・名前・・・・・っ・・・・。」


跡部がフレグランスを変えた。

跡部が名前と同じ表情をするようになった。


君が消えただけでも俺の心は壊れてしまいそうなんだ。

跡部まで連れて行かないでね。お願いだから、頼むから。


2人が付き合いだした時、嫉妬して2人に嫌がらせして困らせてゴメンね。

俺は、跡部にも名前にも嫉妬したんだよ?

俺は、2人が大好きだったんだ。


跡部が掛けてくれたブレザーからはやっぱり大好きで大嫌いな彼女の匂いがした。


鼻孔がスミレで満たされた感覚を覚えると同時に、君がいなくなって初めて泣けた。


止まらない涙を拭いもせずに、声を押し殺して泣いた。



君の最期くらいは、君の特別になりたかった。



大好きなんだ。

でも、大っ嫌い。


 
―――――――――


ジローちゃーん!!!
ゴメンね、
(勝手に)泣かせて。
ゴメンね、
(勝手に)悲しい思いさせて!

そして作者は
ドリカム大好き\^^/


というわけで

解説→

主人公は病死してます。

跡部と付き合ってました。
 




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