雨羽様のみお持ち帰り可能。
「白石、前から思ってたんやけどさ。」
「おん。」
「謙也ってなんであんなにもヘタレなんやろうか?」
「言うたアカン。」
クラスメイト2人の目線の先には2人にイジられ過ぎて落ち込む謙也の姿があった。
「まあ、俺から言わせれば、あんなヘタレが好きで、白石君って言うイケメンの事をフッた奴が信じられへんけどな。」
「ニヤニヤしながら、あたし見んのやめてくれるー?」
「すまん、すまん。ま、俺はまだお前の事好きやから、謙也に飽きたら俺んとこ来いよ?」
「行かねーよ。けんやー、いつまでも落ち込んでる場合ちゃうでー。お前のかわいい彼女が元カレに口説かれてんでー。」
ハッとしたように顔を上げた謙也は焦りながら2人の方を向いた。
「アホか!白石!俺の彼女口説くなや!お前も自分でかわいい彼女とか言うなや!」
必死な謙也に、白石と名前は顔を見合わせて吹き出し、笑った。
「マジでなんやねん!お前ら!」
声に出して腹を抱えて笑い出した2人に謙也は戸惑うばかりだった。
笑い止んだ名前は目に浮かんだ涙を拭いながら笑顔で言った。
「あー、やっぱり白石、あたしコイツが好きやわ。コイツから別れよ言うても絶対別れんし、白石のとこ戻る事ないわ。
だからさ、あたしなんかより可愛くていい子探してあたしと謙也に自慢してや。」
「「名前・・・・・。」」
「あたしさ、謙也が1番好きやけど、なんやいうて白石も友達として好きやからさ。」
「・・・・お前、ちょいちょいノロケんなや。名前が好き好き言い過ぎて謙也固まってもうたやんか。」
「ハハッ。ゴメン、ゴメン。」
「ま、仮に謙也から別れるなんか言うたら、俺めっちゃ怒るけどな。俺から彼女奪ってんねんから。」
「ま、あたしが好きやからええねんけどな。」
「黙って聞いてたら、お前ら恥ずかしい事連呼し過ぎやねん!」
白石と名前は真っ赤になって騒ぐ謙也を見て再び吹き出して笑うのだった。
そして、3人はこっそり願う。
こんな時間がいつまでも続きますように。
―――――――
雨羽様!
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