「ホシノーッ!ホーシノー!」

「チャ‥昌洙、星野は今日休みだぞ?」

「‥ホシノ、オヤスミ デスカー‥
ソウデスカー‥」


背伸びしたキミ
〜ちょっとした上目遣い〜


「クソ‥
馬鹿かよ俺は‥」
シーズン真っ只中 折り返し地点に差し掛かったところで、
川崎の守護神と呼ばれる俺は 油断して風邪をひいた
「最悪だ‥」

俺がいなくてどうすんだよ‥
猪突猛進な八谷と昌洙を
浅香や近藤だけでまとめられんのか‥?

そんなことを考えていたら余計熱が上がった気がする。

そんな時、チャイムが鳴った。

「はーい‥」
「ホシノーッッ!!」
「ぐふぁっΣ」
玄関を開けるとそこには今日も元気に(病人の)俺にタックルしてくる奴がいた。

「昌洙‥!
何しに来たんだお前!」
「ホシノ カゼッピキネ
オミマイ ヒツヨウネー!」
「風邪っぴきって‥
そもそもお前に風邪がうつったら
意味ねーだろ?」
笑顔でそう言った昌洙に俺は冷たく言い放った。
するとアイツは一瞬不満げな顔をしたかと思えば また笑顔でこう言ってきた。

「ワタシ ゲンキ!
ダイジョブ!ダイジョブ!
ネ!」

へらって笑ったアイツは俺より小柄で
ふわふわしてて 明るくて
ちょっとばかし上目遣いで見てくる瞳に
俺が勝てるはずもなく‥

「‥‥入れよ、ホラ」
「オジャマデス!」
「お邪魔します、だからな‥」

*

「ホシノ、ヘヤキレイー」
「そうか?物が少ねぇだけじゃねえか?」
「テレビデカイネー!ウスガタネ!
ミテイイ!?ツケテイイ!?」
「‥お前、見舞いと遊びに来るの違いわかってるか‥?」

昌洙のいつものハイテンションに今日の俺の体調ではついていけるはずもなく‥

「‥っ」
「ホシノ‥?
ホシノッ、ダイジョブ?」

立ちくらみがした。
マジでやべぇ‥
そう思ったとき、視界が昌洙で埋まった。

「!?」
「ホシノー‥?」

しゃがみ込んだ俺の下から覗き込んできた。
さっきまでとは違う、不安げな表情で

「だ、大丈夫だ!
俺はそんなヤワじゃねえよ」
「ヤワッテナニー?」
「あー‥もう面倒くせぇなお前‥」

俺は、さっきの昌洙の顔が頭の中から離れなかった。


あの瞳に、俺は 弱い。


*

俺の風邪は幸いに、1日で直った
元々風邪をひくようなタイプでもなかったし。

でも俺は 今まで完璧だと思っていた自分に弱みを見つけた。
それは‥

「ホシノ!モウゲンキイッパイ?」

そう
笑顔で俺を覗き込んでくる
俺とコイツの身長差によりうまれる


コイツのちょっとした上目遣い



END
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