くしゃりと笑う(Levi)

 

「外暑いね」
「そうだな。もう本格的に夏だ」
 買い物をして、車のエンジンをかける。冷房を入れるも、最初は温風が流れこみ、更に暑さを感じる。暫くエンジンを掛け、冷房になるまで待つが、汗が垂れてくる。
 時期に涼しい風がわたしの頬を撫でる。「そろそろ行くぞ」と、彼の合図で車のエンジンは掛かる。
「涼しいね」
「ああ。やっと冷風出てきた」
 苦笑いする彼。車内には彼の好きな音楽が流れている。わたしも、その音楽に合わせ鼻歌を歌うと「好きなのか?」と訪ねる。
「リヴァイの掛ける音楽は大抵好きだよ」
「そうか。ならいいが」
 窓から外を眺めると、学生が頭の上にタオルを掛け、日差しを遮っている姿が目に入る。 流石にこの暑さだ。わたしも学生時代だと、その姿をしていただろう。そのことをリヴァイに伝えると「女は日差しに弱いからな」と笑う。
 家に着き、買い物袋を家に運ぶ。重たい荷物は彼が持ってくれ、わたしは簡単な荷物を家に運び込む。
「家の中も暑いね。冷房入れようか」
「ああ」
 クーラーのエアコンを手に取り、冷房をつける。少しすると、冷風が再びわたしの頬を撫でる。
「こうも暑いと嫌になってくるね」
「そうだな、夏自体は嫌いじゃねえんだがな」
 パタパタと服を仰ぐ彼。その姿が様になっており、後ろから抱きつく。「暑いぞ?」「うん。でもリヴァイが悪い」そう言うと軽く笑い、回していた手を握られる。
「どうせなら正面がいいだろ」
「うん、正面がいい」
 くるり、と正面を向き抱き合う。お互いの体温で少し暑いが、それも心地がいい。冷房の風と彼の体温。 夏は嫌いだが、彼と抱き合うのは好きだ。
 立ったまま抱き合っていたため、彼はわたしのことを抱きしめながら、ソファになだれ込む。
「リヴァイ、暑くない?」
「少しな。だが、ヒロを抱きしめてえからな。」
 先ほどより強い力で抱きしめるリヴァイ。わたしも負けじと強く抱きしめると、頭上から笑い声が聞こえた。
「そんな強い力出して、お前も大胆だな」
「リヴァイだって、」
 強いよ、と言うとすると口を塞がれる。軽いキスを落とされ、髪の毛を撫でられる。「おでこ、汗かいてるぞ」と再び彼は笑い、キスの続きをする。
「リヴァイこそ暑いのに」
「暑いからこそ、したいだろ?」
 ぎゅう、と抱きしめながらキスをする彼。
「化粧落ちちゃうかも」
「それでいい。俺はスッピンでも大好きだからな」
 頬を触られ、そのままキスを落とされる。キスが大好きな彼。夏が嫌いなわたし。彼もきっと夏は好きではないだろうが、こうして近づいて体温を感じるのは好きだろう。


BGM:コレサワ/あたしを彼女にしたいなら
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -