第弐話
さて、佐疫ウィッグとも涙のお別れをした私は現在生徒玄関ホールへと足を運んでいる。
大量に積み重なった机の山を乗り越えるのは至難の技だったけれど……。
それにしても、どうもこの学校?廃校?見たことがあるんだよなぁ。
指先で佐疫用に買ったエアーガン(改造済み)を弄びながら私はこのデジャヴ感が何なのかを探る為に記憶を呼び覚ます。
廃校といえば、私が愛してやまないバイブル獄都事変のメインステージともいえる場所だ。
そういえば、初期ステージの時と同じような机の乱雑加減な気もする……?
「おい」
突然背後から見知らぬ男の声がした。
その瞬間、私は反射的に外套の中に隠していた銃を取り出し振り向くと同時にその銃口を相手に向けた。あ、そういえばこれ弾入ってないじゃん。
「…………」
「…………」
暫し無言が続く。
と、いうより私に関しては衝撃が強過ぎて行動が起こせない、といった方がいいだろう。
何せ、振り向いた先に居たのは……獄都事変の主人公である斬島が居たのだから。
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