ああ、俺はこの瞬間が嫌いだ。
それは俺の可愛い彼女がクラスメイトと他愛無い話をする瞬間だったり、この学園の数少ない女子だからいやでも月子もコイツも男子生徒に注目される。
嫌だ。きらいだ。見るなよ、そんな俗的な眼で俺の彼女を見るな。コイツを見てもいいのは俺だけだしコイツの可愛らしい声を聞いていいのだって俺だけだ。
笑顔を向けられる相手も泣いた顔を見るのも、俺が、俺が!(大切だから二回言ったが問題ない)作ったの好物であるハンバーグを食べて幸せそうな顔を堪能するのも、全部全部全部全部 俺の特権、だと思っている。
できることなら今すぐにでも本格的に俺はあいつを縛り付けてやりたい。
監禁、なんてアブナイことだって考えたこともある。でもそれをじないのはあいつの為、なんて思っているが結局それは逃げる口実なのかもな。
俺が仮に彼女を監禁なんてして、嫌われるのが嫌だからだ。勿論俺はあいつを愛している。愛しているんだ。あいつだって俺を愛してくれている、手を繋いでデートもしたし、キスもした。お泊まりもした。昨日も好きだと頬を赤らめながら俺に伝えてくれた。
ともかく、俺はまだまだ愛し足りたい。
できることなら今すぐあいつと話している哉太をぶん殴ってあいつを抱き締めたい。
でも、できない。
できないんじゃなく
やらないんだ。
いつか、
あいつが俺の傍を片時も離れたくないと望んで俺の傍を離れなくなるまで。
俺は待ってると誓う。
吊された男