もう、僕の傍にはこないで欲しい

唐突に突き付けられた言葉。意味がわからず、はあ?と間抜けな返事。

「…だってこの傷、」
その傷も、あの傷も、全部僕のせいで出来た奴じゃない

ぐるぐると包帯を巻く腕が震えている。泣いているのか、と問えば巻き終えた包帯の上にぽたり、雫が落ちた。

「お前のせいなんかじゃねえよ」
だからそんな顔すんな、くしゃりと頭を撫でれば胸に軽い衝撃。押し付けられた頭をさらに撫でる。

「でも怖いんだ」
腕の中からくぐもった声が聞こえる。

「僕の不幸が、いつか君を殺すんじゃないかって」

震える肩を、俺はそんなに弱くねえよ、といって強く抱いた。



/心中宣言