※久々知が嘔吐してる








「、うぇ」

びちゃびちゃとあまり気持ちのよくない音とともに、廁の底に吐瀉物をぶちまけた。

いつの頃からだったかなどもう忘れてしまったが、おれはこうして定期的に胃のなかをからっぽにする。這いあがる胃酸が喉を妬くのも、もうずいぶんと慣れてしまった。

異臭の漂う真夜中の廁でひとりへたりこむ。からっぽの胃は軽くてすきだったが、その軽さは同時に空しさも引き寄せた。

からっぽの胃にからっぽの心になると、おれは泣けた。

誰にも言えない日々のちいさな痛み苦味を吐き出して、生ぬるい涙で洗い流す。


どろどろとしたいろんな感情を廁の底に吐き捨てて、ようやくおれは、みんなのように笑えるのだ。



/わたしのじょうずなころしかた