恋愛小説のような恋は御免
あの世界を揺るがした戦争から数日。
無事ルカを乗せた白ひげ海賊団は新世界へと帰還した。
あの日が嘘の様に穏やかに日々を過ごす彼らは、今現在追い詰めに追い詰められている妹を哀れんだ眼差しで見守っていた。
『えっと・・・な、何でしょうか?イゾーさん』
「何だとはいうじゃぁないか」
もうお説教はしないさね・・・そう言って笑ったイゾウに、ルカはつぅっと汗を垂らしながら見つめ返す。
「約束、守ってもらおうか??」
その直後、悲鳴を上げたルカを笑いながら自室に押し込むイゾウの姿が見られた。
「よし、これでいいだろう」
満足げに笑ったイゾウにルカは不満そうな顔を隠しもせずにふてくされる。
「せっかくの綺麗な顔が台無しだぞ?」
そう言って鏡台の前に座るルカを後ろから抱きしめるイゾウ。
『わっ、ちょっと?』
後ろから覗き込んだイゾウの顔を見上げるルカの顔は少し赤い。
そんなルカに微笑んでから、イゾウはきつくルカを抱き竦める。
「お前が帰ってきてくれて・・・本当によかった・・・」
小さな声で紡がれた言葉にルカの胸はきゅうっと締め付けられる。
『ごめんね?イゾウ・・もう、どこにも行かないから・・』
「あぁ・・」
こつんと額を合わせて見詰め合う2人はどちらからともなく唇を重ねる。
「今日は、お前を目一杯甘えさせて。堪能させてもらうからねぇ??約束通りに・・なぁ?」
約束、目覚めた後の宴で酔っていたルカにイゾウが無理やり取り付けた約束。
黙っていなくなったんだ、俺の言うこと1つ位きいてもらうかねぇ?
その結果が、これだ。
「よく似合ってるさね?」
妖笑を浮かべるイゾウの目の前には、少し肌蹴た着物を着たルカ。
「花魁にあうじゃぁないか・・」
『他にもあったんじゃあないの?何でよりにもよってこれ??』
「そんなの、脱がしやすいからに決まってんだろうに」
きょとんとした顔で告げたイゾウにルカはくそっ!!と床を叩く。
『(なんてこった!!言い返してもいい理由なのに、きょとんとした顔がかわいい!!)』
蹲り悶えるルカを不思議そうに見ていたが、徐にルカを抱きかかえベットに腰を降ろす。
『ちょっ!!?まだ、明るい!!』
「まだ、しないさね・・きっちり着るよりは着崩れ気にしなくてすむだろう?」
ルカの頬に手を添えて、その唇に口づけを1つ。
「それに、オヤジにも見せるんだろう??今日は俺がエスコートしてやらぁ」
そう言って立ち上がったイゾウは紺色の着流しを取り出して、着替えると結っていた髪を下ろして緩くサイドで束ねる。
『・・・・・なんか、卑怯』
「何がだ?」
『そんな男前にされたら、恥ずかしくって直視できない』
ふいっと顔を逸らしたルカを見てイゾウは笑うとその手を取って立ち上がらせる。
「それが狙いだとしたら?」
『・・・・意地悪』
「そりゃぁ、どうも。くくく・・・」
『褒めてないもん』
それから、2人は白ひげの元に向かうと甲板にでて、ルカのお披露目をするもイゾウがでれでれとするサッチにぶちぎれて、直ぐに部屋に逆戻りしてしまった。
「やっぱ、最初からこうしときゃぁよかったな」
にやりと笑ったイゾウはベットに寄りかかりながら、腕の中にいるルカを抱きしめる。
『こうなるだろうとは思ってたけどね?』
「そうかい?さぁてと?今日は好きなだけ甘えてもらおうかねぇ?」
『いや、別にいいって』
「何かいったか?」
『イイエ、ナンニモ』
顔を見合わせて笑いあう2人はどちらからともなく寄り添う。
『イゾウ、離れてる間もね。あたし、いつもイゾウの事考えてたよ?』
「そうかい?そりゃぁ、嬉しいね?」
『本当は離れたくなかった。でも、イゾウにこれが終われば会えるって思ったら頑張れた。もうイゾウには他にいい人いるかもしれないのにね』
「んなわけないだろうに・・・お前が先に逝っちまっても、生涯俺にはお前だけだ」
そう言って真剣な瞳で自分を見つめるイゾウを見てルカはその胸に頬を寄せて抱きつく。
「これからは、何かある時は1番に俺に言ってくれよ?もうあんな思いは懲り懲りさね」
耳元でそう言った言葉にルカは更にきつく抱きしめる。
『うん』
「今日はこのまま部屋でのんびりしようか」
『うん、それがいいな?』
顔を上げて笑いあうと、2人はまた抱きしめあう。
夕暮れの空が暖かく部屋に差し込む。
寄り添って、離れた時間を埋めるように語り合う。
『やっぱ、ここが1番かも・・安心する』
ぎゅっと抱きついたルカにキスを落として、ルカをベットへと押し倒す。
2人の唇が重なろうとした時。
【敵襲〜〜〜!!】
その声に2人は笑い出す。
「ったく、いいとこでじゃまが入りやがんな」
『いっちょぶっつぶして、すぐ戻ってこようか!!』
「そうだな・・」
手を繋いで、2人は部屋を後にする。
「お前に部屋で待ってろって言ったとこで聞かないからねぇ・・」
『当たり前でしょ!!守られるだけなんて御免だもん』
恋愛小説のような恋は御免
(守ってもらうだけの女にはなりたくない)
(この人の隣で、あたしは胸を張って生きていたい)
(こんなに甘やかして、あたしの気持ちを笑って受け入れてくれるこの人の)
(隣でずっと・・・・・)
title by ポケットに拳銃
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っと、なんだ、すっげ恥ずかしくってテレテレしながら書いたら
なんかおかしな事になってる〜!!
でれでれに甘やかすイゾさんってリクエストだったのに・・・
なんか恥ずかしくってこれが限界でしたぁ・・・・すいません・・
書いてて想像しててれてれしてるあたし。
きもかったです(知らないよ!!)
えっとこんな感じになってしまいましたが、いかがでしたでしょうか??
もし違うってなったら、お手紙くださいませ!!
書き直します!!
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