rode-9
「で?その兄貴が何でグランドラインにいんだよ」
「あぁ!エースも海賊だからなっ!俺より3年早く海に出たんだよ!」
「はぁ!?兄貴も海賊なのかよ!」
「あぁ、いつのまにか悪魔の実も食ったみてぇだけどな!」
「兄弟揃って悪魔の実の能力者なうえに海賊とは、またすげぇ兄弟だな…」
「あぁ!だけど、悪魔の実を食べる前に戦って俺一度も勝てなかったんだよな!」
「ルフィに生身で勝つなんざ、どんな兄貴だ…」
「だけど、今闘ったら俺が勝つ!」
と、その時ルフィの後ろに突然人影が現れる。
「誰が誰に勝つって?」
「エース!」
「たく、お前は相変わらずみてぇだな?あぁ、こりゃどうも。俺はポートガス・D・エース。ルフィの兄貴だ。こいつがいつも世話になってんな!」
頭を下げながら挨拶をするエースに全員が声を合わせる。
「「「いやいや、全く」」」
「そんな事よか、エース!こんなとこで何してたんだ?」
「ん?お前、ドラムで伝言を聞いてきたわけじゃねぇのか?」
「ん?伝言?」
「……あー、いいんだ。俺ぁ、今ちょっと野暮用でな。こっちの海まで来てたから一目お前に会っておこうと思ってよ」
「野暮用?」
「あぁ、俺ぁ今一人の男を追ってこの海まできたんだ」
「どういう事だ?」
「俺ぁ、今白ひげ海賊団てーとこの2番隊の隊長をしてんだが」
「し、白ひげ海賊団だと!?」
「おっ!親父の事知ってくれてんのか?」
「何だよ?それがどうかしたのか?」
『白ひげ海賊団、白ひげ率いる世界最強の海賊団だよ。んで、ルフィ。お前の兄貴はその海賊団の中でも16人しかいない隊長の一人。そうだよな?火拳のエース』
「おぉ!お前よく知ってんな!」
エースが笑いながらライに話し掛ける。
『白ひげ海賊団を知らねぇで海賊やってるこいつがおかしいんだろ…』
「で?何でエースがいんだって?」
「あぁ、話を戻すか。俺は白ひげの船での鉄の掟を破り、仲間殺しを犯した元部下を追って来たんだ。今は黒ひげってぇ名乗ってやがる。おめぇら、知ってるか?」
「いや…」
その話を無言でエースを見つめるライ。
「そうか…。だが、ルフィお前に会わせたかったぜ?」
「ん?その殺されちまった奴か?」
「あぁ、ルカって言ってな。女のくせにバカみてぇに強くてよ。俺ぁ一度も勝った事なかったんだぜ?姉貴みてぇな存在だったんだ。いつも一緒にバカな事ばっかしてよ。きっとルフィも気に入るはずだぜ?」
「ふーん。姉ちゃんか…。なぁ!サンジ!酒と盃持ってきてくれよ!4つな!」
「ん?あ、あぁ」
そして、サンジが用意すると。
「エースにとって、姉ちゃんなら!俺らにとっても姉ちゃんだろ?」
そう言いながら、盃を酒で満たすと2つずつ一気に盃を開ける。
それをライが見つめていると、サンジが近づいてきた。
「なぁに、んな面してみてんだ?」
『いや…、家族を思い出しただけだ…』
そう言うとライは見張り台へと、飛んでしまった。
「ん?あいつ、すげぇな?一回のジャンプであんなとこまで飛べんのか?」
「あぁ!すげぇだろ!今、ずっと俺らと旅しろって説得してるとこなんだ!」
「んだ?まだ、正式に仲間ってぇわけじゃねぇのか?」
「あ!エース、あいつはやらねぇからな!俺が!見つけたんだからな!」
「あぁ、そうか。じゃあ、しょうがねぇな」
一頻り雑談をしているとエースが立ち上がる。
『ルフィ!バロックワークスの船が来たぞ!』
ライの声が船上に響く。
「なんだよ!あの数!」
「さすが本拠地ってところか?」
と、エースが立ち上がる。
「俺はそろそろ行く。ここに寄ったのも一目お前に会っておきたかったからだしな」
「そっか!」
「あぁ、そうだ。ルフィ、これ持っておけ。」
「ん?何だ?紙じゃねぇか」
「それがまた俺とお前を引き合わせる。いらねぇか?」
「いんや!いるっ!」
「そうか…。おめぇら。こいつには手をやくだろうが、これからもよろしく頼むぜ?あれは俺が始末してってやるよ。じゃあな、ルフィ。次に会うときは、海賊の高みだ」
そう言うと、見張り台にいるライにエースが声をかけた。
「おい!お前!名前は?」
『…………ライだ』
「そうか…ライ。ルフィを頼んだぜ!お前の目、なんとなくルカに似ててよ!何か抱えてるなら、ルフィを頼るといい!こいつは、全部ひっくるめて受け止めてくれんだろうよ!俺らは出来なかったけどな…」
その言葉に流れそうな涙を堪えて返事をする。
そして、エースはバロックワークスの船を沈めて去っていった。
「ルフィの兄貴とは思えねぇ程、礼儀正しい男だった!」
うんうんと全員が頷いているのに、ルフィがお前ら失敬だな!と騒いでいるのを見下ろし、エースの去っていった方角を見つめてぽつりと溢した。
『みんな、そう思ってんのかな……ごめんね…』
「「おーい!ライ!もういいだろ?降りてこいよっ!そして!俺らとずっと冒険しよう!」」
『しねぇよ。ばーか』
ひらりと見張り台から降りると、ビビに変装用の服を渡され、着替える。
「お前も盗賊みてぇだな…」
「でも、顔がいいと何でも似合うわね…」
「なっ!ナミすわぁーーん!?」
『うるせぇな。ぐる眉コック』
「で?これからどうするんだ?」
4つの盃
(よし!行くぞ!ウパっ!)
(ユバだ!ばかたれ)
(おい、サンジ。湯葉刺し作ってくれ!!)
(うるせぇよ!てめぇで作れ!ライ)
(豆乳あんのか!?)
(あるわけねぇだろ!?んな日保ちしねぇもん!)
(んだとぉーー!)
(ライさん!全て終わったら、王宮で出しますから!ね?)
(まじでか!よし、行こう!すぐ行こう!!)
((湯葉への執着半端ねぇ…))
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