rode-8
『ルフィ!どこ行くんだよ…』
「こっちの方からいい匂いがすんだよ!」
『どこでもいいじゃねぇかよ…』
やっとルフィから下ろしてもらったライはぐちぐち言いながらルフィの後に続く。
が、ここで重大な事を思い出していた。
『(あれ?戦争が起こるならティーチを追ったエースとこれからかち合うんじゃないっけ?…)』
(………………まぁ、いっか!今は姿違うしな!ばれないっしょ!てゆか、男っぽい言葉定着してきちゃったな…はぁ…)
そんな風に心の中で思いつつルフィを追い歩みを進めていると、またも伸びてきたルフィの腕に目を点にしながら、ルフィを見ると
「あそこだ!行くぞ!」
『え?ちょっ!待て!俺後から歩いてくから!』
「同じとこ行くんだ。この方がはえーだろ!」
『そういうんじゃねぇっ!ちょ!おい!ぎゃぁーーーーー!!』
またもライの声が空に響いたのだった。
『いってぇ…くそ。おい、ルフィ!って、はえぇなお前…』
店に突っ込みすでにカウンターに座り、ナイフとフォークを手に料理を催促しているルフィに呆れながら、隣に腰掛ける。
店主があっけに取られながらも料理を出すとそれを一気に腹へと納めていく。
『お前、すげぇきたねぇな…』
隣でのんびりと食事をしながら、ルフィの破壊した穴を見ていると現れたのは、白いジャケットに身を包み、がたいのいい白髪の男が現れた。
「麦わらぁー!てめぇっ!覚悟しやがれ!」
「…………………………」
『おい、ルフィ?』
返事をしないルフィに顔を覗き込むと、料理をひたすら口に運びながら何かを言っているが全然何を言ってるのかわからず。
ライは立ち上がり笑いながら口を開く。
『わりぃな?あんたの言う麦わらは今取り込み中だ。俺が相手しようか?』
ニヤリと口角をあげて言うライに白髪の男、スモーカーが噛みつく。
「てめぇも麦わらの船員か?」
『それはちょっと語弊があるかなぁ?言うなれば俺居候ね?』
「それでも、海賊といやがるんだ。覚悟はできてんだろうな?」
『海兵殺しの覚悟なら、とうの昔に出来てるさ』
剣に手を添えて身構えた瞬間……
「ライっ!逃げるぞっ!!」
『っはぁ!?』
かっこよく決めた途端ライの首に巻き付いたルフィの腕。
そのままルフィは一目散に走り出す、そしてライはと言うと、ルフィに引きずられながら引き寄せられ、あちこちに頭をぶつけながらルフィの元へ。
『おまっ!ルフィ!ふざけんなよっ!』
「おぉ!あいつ、けむりんって言ってよ!すっげぇ強えーんだよ!」
『…………いや、そういう事じゃねぇよっ!』
言い合いながら、二人はけむりんことスモーカーから逃げるも海兵の数はどんどん増えていく。
と、そこでルフィが気付いた。
「お!ゾロ達じゃねぇか!」
「「「おめぇ!声かけんじゃねぇよっ!」」」
『ざまぁみやがれ』
ルフィのせいで海兵達に見つかったゾロ達も一緒に海兵達から逃げる。
「おい!ライ!今のどういう意味だ!てゆうか!お前一緒にいたなら、こうなる前にどうにかしろよっ!」
怒鳴るサンジに、自分を指差しながら言い返す。
『おい、ちゃんと見えてるか?俺の名誉の負傷だ!これはっ!』
あちこちに残る掠り傷や切り傷、たんこぶを指差すとサンジとウソップが吹き出した。
「ぶはぁ!おめぇ、何があったんだ!」
「ぶふっ!!ぎゃはははは!随分男に磨きがかかったじゃねぇか!」
『こいつら…、ここで海兵につきだしてやろうか?その間に俺らは逃げる!』
騒ぎながら言い合いをしていると、突然その場に響いた声。
「不知火!」
振り返るとそこには炎が渦巻き、一人の男が現れた。
「ルフィ!お前は相変わらずだなっ!」
「エースっ!!」
その声にライを除く全員が驚きながらルフィを見る。
「おい!誰だよ、あいつは!?」
「ルフィ!知り合いなの!?」
「あぁ!」
話していると、エースがルフィに話し掛ける。
「ここは俺に任せてお前らは行け!後から追いかけるっ!」
「わかったぁ!おい!逃げるぞっ!」
その声に全員が走り出すなか、ライだけが一度振り返り懐かしい家族を見据える。
「?お前もルフィの仲間だろ?ここは俺に任せて行けよ!」
『あぁ…。頼んだ…』
そしてエースに背を向けると、ルフィ達のあとを追いかけたのだった。
『(エースはきっと、あたしを殺したティーチを追って船を降りたんだ…ごめんね。エース…)』
苦悶の表情を浮かべながら、ルフィ達を追い走る。
今はまだ姿を見せられないけど、必ず…必ず助けに行くから!
思い浮かぶのは
数ヵ月前に見たナミダ
(おい!ルフィ!ありゃ誰なんだ?)
(ん?あれはエースだ!)
(名前聞いてんじゃねぇよ!どうゆう関係か聞いてんだ!)
(エースは俺の兄ちゃんだぞ?)
(はぁーーーーー!?)
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