destiny-30





もうすぐ、全ての引き金となる悪魔の実が発見される。
そして、サッチや他の船員より先にヤミヤミの実を見つけようと躍起になったルカは敵襲の度に敵船のお宝を調べていた。

そして今日も数日ぶりの敵襲をうけ、敵を倒すと船内へ入りお宝の収集を行ったが、この日も収穫はなく宝物庫を家族達と後にしてモビーへと戻るとそこには家族が集まっており、不思議に思いながらそこに近寄るとサッチの手には船長室から奪ってきたという箱を両手に抱えていた。

早く開けろよー!という声に笑顔で返事をして箱の蓋を開けたサッチはエースに声をかけた。

「エース、こりゃ面白いもん見つけたぜ?」

「お!そりゃ悪魔の実か?」

「まだなんの実かわからねぇけどなっ」

その声に近寄る足を止め、ルカは呆然とした。
そして、ティーチに慌てて視線を向けると、そこには瞳をぎらつかせニヤリと今までで1番凶悪な笑みを浮かべサッチとサッチの持つ悪魔の実を見ていた。

それからというものルカは四六時中サッチの側に張り付き、ティーチを警戒していたが、ティーチも警戒しているのか、動く気配は見られない。

だが、ここでサッチの就寝を迎えたら事が起きてしまう。
まさかサッチと一緒に寝るわけにもいかない。
そこで意を決してルカはサッチの側から離れ、誰にも気づかれぬように見張り台に上がると今日の見張り番であるラルフに無理を言い、見張り番を交換してもらうと、交替した事は誰にも言うなと釘を指すとラルフを見張り台から見送り、気配を消して空に舞い上がると闇に紛れた。

それから少しすると、ティーチがサッチに近付いた。
何やら話をしているようだが、空にいるルカの元までは声は届かず、仕方なくその様子を見守っていると、サッチがティーチから離れ船内へ入っていった。
それを見送ったティーチは、物陰へと隠れた。そしてルカは確信した。
今なら、家族はルカと船尾の見張り台にいるもう一人の見張り番とティーチ、そしてこれから悪魔の実を持ち戻ってくるサッチを覗き、全員が船内にいる。
今がチャンスなのだ。
身構えてその時を待つルカの心臓はドクンドクンと脈打つ。
と、そこへサッチが悪魔の実を手に甲板へ戻ってきた。
その瞬間ティーチはナイフを振り上げて背後からサッチを襲う。
それに気付いたサッチは動こうとするが、不利な体勢にまさか家族に襲われるとは思いもよらず武器は手元になく応戦できそうもない。

その二人の間に猛スピードで割り込んだ影は、サッチを吹き飛ばすと瞬時にティーチのナイフを弾き飛ばす。

そして、雲に遮られていた月明かりがさしはじめるとその人物が姿を表す。

「ゼハハハハハ。やっぱり俺の邪魔をするのはおめぇだったか…なぁ、ルカ?」

『そうだね…こうならない事を願ってたけど…』

意識はティーチに向けつつもチラリと視線だけでサッチを見ると、吹き飛ばされた拍子に頭をぶつけたのか…意識はなくそのまま瓦礫の中に倒れている。

「だが、どうやら天は俺に見方をしてるようだぜ?」

その声に視線をティーチに向けると、ティーチの足下には先程までサッチの手にあった筈の悪魔の実が、まるで主を選んだかのように転がっていた。
ティーチは笑いながらそれを手にすると笑いながら食べ始めた。

「ゼハハハハハ!!これで俺は最強となった、それにしてもくそまじぃ…」

悪魔の実を食べたティーチに警戒を見せ黒金を構えるルカにティーチは続けた。

「なぁ、ルカ。おめぇも俺と一緒に来い!俺と世界を取ろうじゃねぇか!なぁ?」

『遠慮しとくよ。あたしはどこまで行っても親父さんを家族を愛し、尊敬する気持ちは変わらないし、裏切るつもりも毛頭ない。ティーチ、お前と違ってなっ!!!!』

「そうか…それは残念だなぁ?だが、お前がそういうならこっちにも手がある。いつか訪れるこの日の為に集めた俺の仲間には催眠術を得意とする奴がいる。素直に従わねぇなら、力ずくで連れていって無理矢理にでも従わせてやらぁ!」

その答えに、ルカは予想していたのか…勝ち誇った笑みを見せると翼を1つ羽ばたかせると一瞬で空へと舞い上がり一気にティーチへ攻撃を仕掛けようとした…が

「闇水」

ティーチの声にルカは一気にティーチ引き寄せられる。
そして、引き寄せられながらと応戦するため腰に差していた剣を翳すと引き寄せる力を利用してティーチに一気に詰め寄るが
抵抗したティーチの動きの方が一瞬早く…

ルカの体には激痛が走った。

「おっと…わりぃな…。」

その言葉に腹にとっさに目を向けるとティーチの手に握られていた大きめのナイフが突き刺さっていた。




代償

(なぁ?久しぶりにうけた刃物の味はどうだ?)

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