destiny-25
エースが2番隊の隊長に就任して数日。
ルカは甲板で4番隊の隊務として、甲板の清掃を行っていた。
清掃が終わり次第、今日はビスタとハルタ、サッチに頼んだ剣での修行が待っている。
黒金をいつも身に付けてはいるが、他にも習得しておきたいと思い、数々の武器を試したが、銃はイゾウにより
「才能のさの字もないねぇ…」
と呆れられ、じゃあ体術をとマルコとエースに見てもらったが、こちらは隊訓練で組手をしているだけありそれなりにできたが、力の関係で却下。
「いい線はいってんだがねい…」
「俺はスピード重視の体術もいいと思うぜ!」
「対1なら通用するが、複数相手だときついんだよい…」
そして、最後。
隊長達の中でも得物として使用率の高い。
刀や剣は黒金と同じ動作で扱えるだろうという事で、両刃の剣が選ばれた。
「剣なら黒金を扱うのより小回りが効くのでな。よって…」
「黒金を使ってもあれだけのスピードを誇るルカだから、きっと使いこなせば相当な腕前になれると思うんだよね!僕!」
「ルカは白ひげ1のスピードだからな!」
と、いう各々見解で剣の修行が決まったのだった。
「ルカ!掃除終わりだぜー!」
『あれ?もう終わったの?』
「ルカが何か考えてるうちに終わらせたんだよ…。」
「お前今日から隊訓練の他にサッチ隊長達に稽古つけてもらうんだろ?」
「だから俺らで一通り終わらせておいたからよ!」
『え!なんか、ボーッとしてる間に…ごめんね?』
「いーっていーって、その代わり稽古俺らも見学しててもいいか?」
『全然いいよ!その方があたしもやる気でるってもんよ!』
「うし!じゃあ、行こうぜ!!」
4番隊の隊員数名と連れ立ちサッチ達の待つ甲板の方へと向かう。
「おー!ルカっ!こっちだ!」
自分達の方へと向かってきたルカを見つけるとサッチが手を振りながら声をかけてきた。
それに気付いたルカはサッチ達の元へ駆け寄ると、何故かそこには他の隊長達まで勢揃いしていた。
『えーっと?暇なの?』
「バッカ!俺は新しい武器で稽古するってゆーから心配してだな!」
「エースはともかく、俺らは仕事の合間を縫って見学だよい。」
「そうだ。俺は少し見たら隊の訓練だからな。がんばれよ!ルカ」
『フォッサー!はーい!頑張るっ!』
そうして、稽古は始まった。
まずは剣を持ったうえでの、素振り1000回。
素振りを終えたら、黒金を扱ってる時と同じ動きでまずはどの程度剣が使えるかをテスト。
相手はハルタだ。
「さすがに最初だから僕は慣らしでいくけど、ルカは本気できてねぇー!」
『はーい!じゃあ、行くよっ!』
ルカが腰を低く落とし剣を構えると、得意のスピードで一気にハルタの間合いへと入り込む。
そして、大きく手を振り上げ一閃。
瞬時にハルタは剣を構え、ルカの剣を受け止める。
二人はしばし鍔競り合いをへて、同時に互いの剣を弾くと瞬時に後ろに下がる。
そこへすぐにルカが動き、あっという間にまたハルタの間合いへ飛び込むとそこからはルカが繰り出す攻撃をハルタが止め、弾き返すとすぐにハルタが技を繰り出す。
しばし互いの繰り出す攻撃の押収の後、息を弾ませ二人は距離を取る。
そして、また二人が近付き鍔競り合いが始まるも力と経験の差からか…
ハルタがルカの剣を弾いた拍子にそのままルカの剣は宙に投げ出された…。
そして、ルカの首近くに剣をかざし
「僕の勝ちっ!!!!」
そうして二人に決着が着いた。
すると、へなへなとその場にルカは座り込むと
『もう、攻撃を読むので精一杯だった…はぁ…』
「いや、でも初めて剣使ったわりにはすげぇよい」
「あぁ、途中からハルタは本気で行っていたからな…」
『え?そうなの?』
「えへへ。実はね、本気じゃなかったらルカのスピードに負けてたかも…」
「こりゃあ、実戦形式で経験を積めばすぐにでも実戦で使える位にはなれるんじゃねぇの?」
『本当に!?』
「あぁ。実戦形式だ。怪我もするだろうが、覚悟はできてるか?」
『そんなの!あたし、海賊だよ?全然覚悟出来てるし!』
「それじゃあ、今日は一旦終わりにして明日からまたメニュー練って稽古と行くか!」
『うん!サッチ、ハルタ、ビスタ!よろしくお願いします!』
「よーし!頑張ろうぜっ!」
欲するは新たなる力
(なぁ?ルカは何で他の武器の事も考えたんだ?)
(ん?黒金を常に使えるとは限らないでしょ?広い場所ならともかく黒金は武器としては大きいからね)
(確かにそうだな)
(で、そういう時に小振りな武器を扱えればなんとかなるかなって?)
(…………結構軽いのりだったのかよい?)
(そんな事ないよ?結構前から考えてたの)
(まぁ、あんまり力みすぎるなよ?)
(りょーかいー!)
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