another story second



こちら、白ひげ海賊団食堂。

船を漕ぎながら朝食を食べるのは、最近悪魔の実の影響で、姿がすっかり変わったルカ。

『うぁーー。眠いよぉ』

「夜遅くまでハルタ達と話してるからだ。自業自得だよい」

『だーーって。盛り上がったんですよー。しょうがないです』

「とにかく、さっさと食えよい。で、仕事したら隊の組手だよい。今日は1番隊とだ、よかったない?」

『え"…今日マルコさんと…昨日はイゾウさんと見聞色と能力の特訓だったのに…地獄だ…』

「自分で決めたんだ。頑張るんだない」

そう言って、ニヤリと口角を上げながらルカの頭を撫でると手をひらひらさせながらマルコは食堂を去っていった。

『あー…頑張るか!!足手まといになんてなってらんない!!』

と、立ち上がり足を椅子にかけてガッツポーズを決める。
と、後ろから声を掛けられた。

「ぜははは。精がでるなぁ、ルカ」

『あ、ティーチ。まぁね、今からご飯?』

「いや、俺はもう食った。仕事に行こうとしたら、何やらガッツポーズして気合い入れてる妹がいたからな。激励をと思ってな。今日はマルコ隊長とか?」

『そーなんだよー。マルコさん、鬼畜だから恐ろしい!!前回なんて、疲れはてたあたしを海に投げ込んだんだよー!!』

「ぜははは。そら、やられたなぁ。無理すんなよ!!でも、そんな急がなくてもいいんじゃねぇか?」

『え?』

「まるで、何かに追いかけられてるみてぇだぜ。今でも十分だろ?大分力にも慣れて眠らなくなったじゃねぇか。そこまでして、何かあるのか?」

ギラリと一瞬垣間見えた凶器を孕んだ瞳にたじろいだ。

『う、ううん。たださいざと言うときに足手まといになんてなりたくないから…ね?』

「……そうか。まぁ、体壊すなよ?壊したら、それこそどうしようもねぇからな、じゃあな。ぜははははは」

頭をぽんぽんと叩くとティーチは食堂を出ていった。

たまに見せるあの瞳が、恐ろしかった。



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


「おら、ルカ。脇があめぇ!!黒金がいつも使えるとは限らねぇ。もっと気合いいれろよい!!」

『はいっ!!』

と、その時マルコの上段蹴りがルカの頭部目掛けて入った。

どごーーーん


「やっべぇ!!大丈夫かよい!?」

防げるように入れた蹴りが、もろに決まり焦ったように走りよるマルコ。

『う、うん。大丈夫。手でガードしたけど、勢いに負けちゃった…』

「一旦休憩するよい。疲れたろい?」

『うん、ありがと。マルコさん』

船縁に背を預け、並んで座る。

「でも、前よりスピード上がったない?見聞色で追わねぇと追い付けねぇよい」

『それだけが取り柄だからね!!誰にも負けられない!!速さだけは…』

二人話していると、ニュースクーが新聞を届けに来た。

「ご苦労さん。さーて、新しいやつはいるかねい……は?」

新聞を開き、常日頃半目のやる気ないマルコの目が驚きに見開かれている。

『どしたの?マルコさん?』

グジャア

目の前で握りつぶされた新聞。

『えぇっ!?どうしたの?』

「ルカ、隊長全員を親父の部屋に集めておけい。俺は先に親父のとこに行ってる。呼んだらお前も来いよい」

『あ、はい、わかった』

隊長を探し、船を駆け巡り、最後に船長室へ行くと全員が難しい顔を付き合わせていた。

『何かあったの?』

「これ」

そう言ってサッチに渡された新聞。
そこには、先日の記事と新たな手配書。

“堕天使の脅威、海軍船五隻を沈めた!?“

堕天使の姿が変わった。正に悪魔の化身?

などと書かれた記事。

そして、手配書に目を写すと。


wonted

異海の堕天使 アマクサ ルカ
450000000ベリー

ALIVE only


「記事には更にこう書かれてる。」


【出身、生い立ち、全てが不明である事。さらに、今まで頭角も見せずに突如現れ世間を賑わす、高額賞金首へとなった堕天使を、世界政府は異界よりの旅人であると推定。確保の際は、取り調べの為に必ず生きたままでの確保を賞金授与の決まりとした。ここまでの賞金首を生きたままでの確保はなされるのか。尚、堕天使の確保は各地の賞金狩り、海軍本部の将校以上であるもののみが確保の権利をもつ事になった。その為、一般人による確保は生死の保証が取れないため、手を出す事を禁じるそうだ。この事態をうけた白ひげ海賊団及び白ひげはどう動くのだろうか】


『なんで?皆しか知らないことだよ!?』

「ルカ、落ち着け。この世界には、世界政府とごくわずかな海賊や老人が知る話がある。数十年か数百年に一度異世界から人が現れるってな。書物も残されていねぇが。口伝てにそれは確かに昔から語り継がれてきた。それに、海軍や世界政府が気づいたのかもしれねぇ」

『そういえば、青雉に聞かれた…』

「その時の反応で確信を持ったんだろう。だが、大丈夫だ。お前を渡しはしねぇし。お前の捕獲にも、条件がある。そうそう手を出せやしねぇ。だが、当分は一人にならねぇように気を付けろ」

『わかった…』

「それじゃあ、娘の賞金額が上がった宴でもしようじゃねぇか!!」

「そうだな!!よし、宴だーー!!」

「全くだよい。お前も行くぞい」

ぽんと頭を叩き、一人また一人と笑いながら部屋をあとにして行く隊長達。

うっすらと涙を浮かべたルカの頭に大きな手が乗ってぐりぐりと頭を撫でる。

『親父さん……あたし、家族になれてほんとよかった!!』

そう笑顔を浮かべた。

「そうか…」

ルカを片手で持ち上げ肩に乗せると白ひげと甲板へ向かう。

扉を開け外に出ると


「おぉ!!親父さん!!今回の事で召集を受けてなぁ、心配で様子を見にこさせていただいた!!」

「おぉ、ジンベイか…これから宴だ。お前ものんでいけ!!」

「そうさせて頂こうかの!!その娘さんが話題の堕天使かの?」

『あ、親父さん降りるね!!』

スタンとジンベイの前に降りると、頭を一度下げる。

『白ひげ海賊団4番隊所属、堕天使のルカです。お見知りおきを!!』

「元気な娘さんじゃ。わしはジンベイ。七武海をしとるが、わけあって大恩のある親父さんと親交があってなたまにこうして船を訪ねてきておる。よろしくの」

『はい!!こちらこそっ!!ルカって呼んでくださいね!!じゃあ、飲みましょう!!あたしの賞金額上がったお祝いなんです!!』

「よし、じゃあ。娘の」
「「「妹の!!」」」

「「「「賞金更新を祝ってかんぱーい」」」」



闇と光

(じーんべーさぁん!!のんでる?)
(飲んでおるから、少し落ち着かんか!!)
(ジンベイに怒られてるぞ…ルカ)
(サッチ止めてこいよい)
(俺なの!?)
(お前の隊だろい。早く行け)
(あいつ止めるとまじできれんだぞ!!)
(ついでにそのリーゼント潰されてこいよい)
(止めろよ!!俺のポリシーだぞ!!)
(あ、フランスパンみーっけ!!)
(ぎゃーーーー!!)
(((おい、ルカが隊長の頭に食いついたぞ!!止めろ!!)))
(おもしれぇから、ほおっておけ)


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