Savior-50
「じゃぁ、俺はオヤジにアマゾン・リリーに向かう旨を話してくる。サッチはルカに着いててくれよい」
「おぉ、わかった」
そう言ってマルコは部屋を後にした。
ベットの傍らに座り、ルカの手を握りサッチは今なお眠り続けるルカを見つめた。
「早く・・・早く起きろよ・・・俺はお前に言いてぇ事が山程あんだからよ・・・」
そう言って、サッチは握ったルカの手を更にきつく握った。
「オヤジ、女帝の計らいで女人国アマゾン・リリーへ向かうが大丈夫かよい」
「あぁ?女帝?そりゃ七武海だろう?」
「なんでも、女帝とエースの弟が知った顔だったみたいでねい。・・・ルカに静養が必要で安全に停泊できる場所をと思ってた所に女帝が国に来いと言ってくれたんだよい」
「なんと、あの男嫌いの女帝が??」
マルコの言葉にジンベエが驚く。
「あぁ、どうやらエースの弟を気に入ってるみたいでねい。それで、ルカがエースの姉ならエースの弟にとっても姉なのだからって話だったよい」
「そうかぁ・・・なら、今はそれを有難く頂戴しようじゃぁねぇか」
そうニヤリと笑った白ひげはすぐにルカの容態を聞く。
「あちこちを縫ったみたいだが、命に別状はないってよい。だが、かなりの体力を消耗してるみたいでよ・・・暫く目覚まさないみたいだよい」
「そうか、無事ならそれでいい・・・。マルコ。こっちは俺らに任せて、サッチとエースと一緒にあいつに着いててやってくれ」
それに頷くとまたマルコは不死鳥へと姿を変えて、ルカのいるローの船へと去っていった。
それを見送った白ひげは、ジンベエへと声をかけた。
「おい、おめぇはどうすんだ??」
「オヤジさん・・・わしも一緒に行っていいかのぅ・・?ルカが目覚めるのを待ちたいんじゃが、わしもあいつには言わなけりゃいけない事があるんでの」
「あぁ、ルカが起きて新世界に帰る時に魚人島に送ってやらぁ、ジョズ!!」
「何だ?オヤジ」
「全傘下に電伝虫を繋げ!!!!」
そうして告げられたのは、アマゾン・リリーへと向かう事。
ここからは、全傘下の船長に着いて来るか、一足先に新世界へと帰還するかを任せる事、そして・・・・・
「おめぇらのお陰でエースはおろかあのお転婆な娘まで帰ってくることが出来た。おれぁ、父としてお前らを本当に誇りに思う。ありがとうよ!!」
白ひげの言葉にあちこちから声が上がる。
そこへ、九蛇の海賊船が現れる。
そこで、それまで並走していたバギーが白ひげにいつか首をとりにいくと言いながら離れていき、イワンコフ達もジンベエへとルフィを任せ離れていく。
そして、当然別れると誰もが思っていたクロコダイルは
「おい、ジジイ。俺も行くぞ。あの小娘に俺は用があんだ。かまわねぇだろ」
「グララララ・・・、あぁ、別にかまわねぇ。好きにしやがれ」
そうして、九蛇の船を追いモビーと子モビー3隻。
ロー達の潜水艦。そして、傘下の海賊船が1隻も欠けることなく後を追う。
そして、その後ろをクロコダイルの乗る船が進むのだった。
「なぁ〜?俺腹減った!!肉食えばこんな怪我すぐなおんだぞ!!」
「んな事あるわけねぇだろう。どんな医学だ、そりゃあ」
ローの船では、ルフィが腹が減ったと騒いでいた。
そこには、マルコが戻った時に一緒に船内に入ってきたエースもいた。
「何言ってんだよ!!肉食えば怪我なおんのは常識だろ!!」
エースの言葉にローが溜息を溢す。
「なんなんだ、この兄弟は・・・」
「なんつーか、ほんとお前らそっくりだな」
「本当だよい・・・」
「ルフィ!!ここに肉を運ばせるか??わらわの船にはそなたの為に肉を大量に載せてあるのだ!!」
ほんとかっ!!と喜ぶルフィと、何故かそれに便乗したエースにもはや何も言うまいとでも言うかのように3人をスルー事にしたのだった。
そうして、騒がしい室内にローがうるせぇ!!と怒声をあげ
マルコとサッチは苦笑いを溢す。
そして、度々ルカの顔色を確認する。
全員の思いは・・・・・
堕天使は今なお眠りの中
早く・・早く、起きろ。
皆がお前を待ってる。
愛する妹の目覚めを・・・
▼
main