rode-65





「おぉ!!ライ、遅かったなぁ?」

『あぁ。だめ押しでね?海兵達の足止め…してたんだよ』

「怪我してねぇか?大丈夫か?」

『大丈夫。ありがとな?チョッパー』

笑顔でチョッパーを撫でると顔をあげる。
その視線の先にいるのは…レイリーとシャッキー。

『(やっと……やっと。ここまで来たんだ……)』

二人を見つめるライの視線にレイリーとシャッキーは気付かない。

そして、ライが壁に背中を預けた所で話が始まった。

「それじゃあ、まずは自己紹介と行こうか?私はシルバーズ・レイリー。ここでは、コーティング屋のレイさんで通っている」

名前を聞いたところで、ルフィ以外の全員が驚く。

「え?シルバーズ・レイリーって…」

「おいおい、ちょっと待てよ…」

「おや、知ってくれてるみたいだね?私は海賊王ゴールド・ロジャーの船で副船長をしていた」

その言葉を皮切りにレイリーの話は始まった。
途中仲間だった灯台守のクロッカスとラブーンの話も交えつつ話は進む。
そして、ロジャーが本当は捕まったのではなく自首した事も…ルフィ達へと告げられた。

彼、レイリーの話すロジャーの人と成り。
それはとても…似ていた。
仲間を大事にするところ。
騒ぐ事が大好きなところ。

所々にエースのそして、何故かルフィにもよく似た共通点。
家族を仲間を第一に考え、楽しい事おもしろい事を何より好む彼らだからこそ。
周囲はどんどん引き寄せられる。
それは、何よりも彼らの強みなんだろう。

ライは人知れず笑みを浮かべる。

だからこそ。
絶対に死なせてはならない。
エースもそしてルフィも。
そして、愛する家族も…。

「そういえば、君は…どこの海の出だい?」

ニコリ笑いながらライへと訪ねたレイリー。

『え?』

「いやね、どうやら君。えーっとライ君だったか。君は少し彼等と違うみたいだからね。少し気になったんだ」

『………俺…は…』

そう言って黙ってしまったライに全員がどうしたのかと視線を向ける。

と、

『ごめん。やっぱ、レイリーさん達に嘘着けないや。それに、これからの事を考えたら余計に…』

呟いた言葉に全員が訝しげに顔を歪める。

『…ハチ、ケイミー、パッパグ。これから見る事は他言無用で頼む。レイリーさん、シャッキーさん』

お久しぶりです。

そう言って、姿をルカへと戻す。

「ルカ?」

「……ルカちゃん!?」

二人は目を見開いてルカを見据え。
ハチはその姿に覚えがあるのか驚きを見せ、ケイミーとパッパグは女へと変わった事に驚く。

「ルカ……君は死んだんじゃ?」

『ううん。死んではなかったんだ。あいつから、姿をくらますために…親父さんやみんなを騙して。あたしは海に出た。あの頃より強くなるために…』

そこから、ルフィ達に話した説明をレイリー達にもする。

その間、ルフィ達はルカがレイリーとシャッキーを知っていた事とこのシャボンディに入った時に言っていた知人がレイリー達である事に驚いていた。

「そうか…。生きてたならよかったよ。形はどうあれね…」

「えぇ。新聞で知った時は、本当にびっくりしたわ…でもよかったわ…あなたは娘みたいなものですもの」

そう笑う二人にルカはここで初めて笑顔を見せた。

そして、話は移り船のコーティングの事に進む。

「コーティングには…そうだな。2、3日時間を貰いたい。繊細な作業だ。ここで凡そかにすれば海の藻屑になってしまうからな」

そう言ったレイリーにルフィ達は、ばらけて逃げ回る決断を取る。

「それならこれを持っていてくれ。私もお尋ね者だからね。船を移動して作業をする。三日後にそれを頼りに来てくれたらいい」

渡されたのは、ビブルカード。
男へと姿を戻したライもそれを受けとる。

「じゃあ、三日後に!」

行こうと足を踏み出したルフィ達をライがひき止める。

『ちょっとレイリーさん達と話したいんだ。後から…追う…先に行ってて貰えるかな?』

その言葉に全員が笑顔で頷くと手を振って別れる。

「で?なんだい?話とは」

『これから……ルフィ達は、黄猿と黄猿の部下、そして政府の人間兵器と戦います』

「…それはまた……穏やかじゃないね…君はいいのかい?」

『変えるわけにはいかないんです。これは。彼等にとっても……そして、これからしなくちゃならない事の為にも…





始まりの序曲

(全てをお話します。そして、頼みを聞いてくれますか?)



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