rode-48




広い海を眺めていたライは真新しい船の芝生甲板へゴロンと寝転がり両手をぐっと伸ばすと頭の下へとうつし空を見る。

『っはぁ〜〜。くそ穏やかだ…』

呟いて目を閉じると、船内の各所に散らばる仲間達の気配を探る。

モビーに乗って暫くした頃から始まったこの癖もモビーを離れてからやっていなかったのだが、寝入り様に彼らの暖かい気配を探している事にごく最近気づいた。

そんな自分に少し笑みを漏らすと寝ようと思考する頭を休める。


「うおーー!次は鮫だぞー!」

「よし!見に行こうぜ!!」

『…………鮫…入れちゃダメだろ…』

目を閉じたままにポツリ呟く。
ぼんやりとしてきた意識に身を任せてそのまま眠りについた。



「おーーい!ルカ、釣りしよーぜ!!」

『エース、うるさい。あたし今本読んでる』

「いーじゃねぇか!やーろーおーぜー!!」

「おい、エース。わがまま言ってねぇで、一人で行けよ」

「いやだ!!つーか、いつもサッチ達ばーっかルカ独占してずりーんだよ!」

「はぁ?いや、独占してんのはお前だろ…俺らにたまには譲れ!!可愛い妹をっ!」

『サッチ…暑苦しい』

「ルカちゃん?ひどくね?」

『妥当な線だと思うよ。だって、サッチだもん』

「間違いないねい」

『…………マルコ。起きてたの?』

「ぶっ…ぎゃははははは」

「………ルカ?どういう意味だよい?」

『えーと。よし!エース。釣りをしよう』

「おう!行こうぜ!!」

「ぎゃははははは!あー!!腹いてぇっ」

「待てよいっ!ルカっ!!」

『待てって言われて待つ奴がいるかってのー!!逃げるが勝ちだよーん!ひゃーい!!』

「くぉらぁー!!」




ばこぉーーん

『いってぇ!!?』

「あんたぁっ!!何暢気に寝てるのよ!嵐が来るわ!動きなさい!!」

寝ていた所をナミに無情にも蹴り起こされたライだったが、嵐が近いとあらばと体を起こして作業に混ざる。
その顔はどこか寂しげにでも、笑っていた。

『(最近、よく見るな。皆の夢…)』



そして、嵐を避けた先は魔のフロリアン・トライアングル。
深い霧に包まれた不気味な海域に突入した。

「おばけが出るらしいぜ」

「「ひぃ〜〜〜っ!?や、やめろよぉ!」」

サンジの言葉に縮みあがるウソップとチョッパー。

と、そこへ何やら影とともに歌が響いてくる。

【ビンクスの酒を 届けにいくよ…】

「「「な、なんだよー!!この声!?」」」

怯える…以下略。

「幽霊船?いや、ありゃぁ海賊船か?」

「うっほぉーーー!あれ?誰か乗ってるぜ?」

ルフィの言葉に甲板を見れば、そこには骸骨。

骸骨が歌っている。

そうして、船に乗り込む事になり瞬時になぜかゾロがくじを用意していて全員で誰がいるかを決める。

探索隊はルフィ、サンジ、ナミ。
そして、残りは居残り組として船に残った。

『俺のくじ運、最強だな』

にやりと笑ったライにロビンが聞いた。

「あら?ライも怖いの?」

『ん、んな事ねぇよ!ほら、埃とか凄そうだろ!?服汚したくねぇんだよ!!』


そうと返すと既に興味を無くしたロビンが幽霊船を見据えたのだっ。




唄う骸骨と幽霊船

(どうもー!ヨホホホホホ。私、死んで骨だけブルックと申します!)
(おんもしれぇだろ!?仲間にした!!)
(仲間にした!!っじゃねぇよ!ふざけんな!!)
(何のためにおめぇらが一緒に行ったんだよ!こうなる事態を引き止めるためにいったんだろーが!?)
(面目ねぇ…)
(骸骨…でけぇなっ!!)

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