rode-40



「して、随分と失礼な男じゃのう?」

『そら、失敬。俺、動物は可愛いのが好きなんだ!』

睨みつけるカクに、口角をあげて笑いかけるライ。

「んな事より!鍵!外してくれっ!これをっ!ゾロが恐ろしいこと言い出したんだっ!」

『恐ろしいこと?』

「じゃんけんで負けた方の腕を切るとか言ってんだよ!このバカ!」

『んー…まぁ、無難な解決法だよなっ!』

「笑顔で恐ろしいことに賛同してんじゃねぇよっ!!」

「「嵐脚っ!!」」

言い合う2人をよそに、攻撃を仕掛けてきたカクとジャブラ。

それをしゃがんで回避したライとゾロ達。

『とりあえずさ。鍵届くまで俺ここで加勢してやるから、どうにか切り抜けてくれ!』

そう言うと、ライはジャンプするとジャブラの前へ降り立った。

『おいおい、犬は犬らしく芸でもしてえさもらってろよ。なんならやろうか?え・さ』

「俺は犬じゃねぇ。狼だ…。なんなら、お前を食ってやろうか?」

ライの言葉に額に青筋を浮かべるジャブラ。

その瞬間地面を蹴り2人は戦闘を開始した。

ジャブラの蹴りを腕で止めると、ジャブラの顔付近までジャンプすると蹴り飛ばす。

盛大に吹っ飛んだジャブラは瓦礫に埋もれる。

『おい、おい。こんなもんじゃねぇんだろ?本気出せよ、本気。遊んでやるからよ』

瓦礫に埋もれたジャブラへと大きな声で話しかけるライの顔は心底楽しそうに笑っている。

「ジャブラっ!何を遊んでおるんじゃ!!」

吹き飛んだジャブラに声を荒げたカク。

と、瓦礫を押し退けながらジャブラがでてくる。

「うるせぇ。てめぇは黙ってろ」

カクを睨みつけるとライへと視線を向けると、ジャブラは涙を流しだした。

「お、おれを殺しちゃくれねぇかぁ…」

『…………………………はぁ?』

それを気味悪げに見やるライ。

「俺はもう殺しなんかしたくねぇんだよ…それに今回のニコ・ロビンの件も、俺は関わりたくなかったんだ。だって、そうだろ?」

以前ボロボロと涙を溢すジャブラにライが歩み寄る。

『…なぁ、よくわかんねぇけど。泣くんじゃねぇよ。俺が泣かしたみてぇだろ…』

そんな2人を見ていてウソップが

「なぁ、ゾロ。あれは何だ…」

「知るかよ!?どう考えても嘘だろ!」

「ニコ・ロビンはポーネグリフが読めるだけで、何かをしたわけじゃねぇ!読める事が罪だと言うがそれの何がわりぃんだよ!すげぇじゃねぇか!!それなのに、上の奴等はよぉ…殺せ、殺せと騒ぎ立てて。それで今まで何人をこの手で殺してきたか…毎晩目に浮かぶんだよ…殺した奴等の涙で絶望した顔がよ…」

何故か戦いを止めて、その話に耳を貸すカク、ゾロ、ウソップ。

「(あいつは…また姑息な手を使いおる…)」

「明らか嘘すぎる…」

ウソップの言葉に頷いていたゾロが俯いているライを見ると。

『お、おめぇ。づらがっだなぁ…でも、ぞんな簡単に殺じでぐれなんで言っぢゃだめだぞぉーー』

涙や鼻水を垂れ流して、ジャブラの肩に腕を回すライの姿だった。

「「「信じたのっ!!?」

「十指銃!!」

その瞬間放たれたジャブラの攻撃に砂煙をあげてライが吹き飛んだ。

「ぎゃははははは!嘘に決まってんだろうが!!」

吹き飛んだライのいる方へとゾロとウソップが声をかけら。

「ばか野郎っ!」

「ライ!おい!大丈夫かっ!?」

「かっこよく登場したつもりが、だっせぇなぁ!おめぇよー、ぎゃははははは…!?」

『………誰が?だせぇって?』

砂煙のたつ中ゆらりと剣の切っ先をジャブラの背後から首に当てて現れたライ。

「「ライっ!?」」

「な、なんじゃと!?」

『嘘な事くれぇ分かってたっつーの。お前が、あまりにバカみてぇだからよ。付き合ってやったんだ。覚悟しろよ?』

砂煙の晴れた先で、冷徹な瞳でジャブラを見下ろすライは宙に浮いている。
それを見たジャブラとカクは驚く。

「てめぇ、何の能力者だ?」

「動物系ではなさそうじゃのう?かといって、攻撃はくらってる様だしのう。超人系か…」

『さぁ。そら、てめぇらで考えてくれよ。これ宿題なっ!』

そう言うとジャブラの首に添えた剣を振り上げてジャブラへと落としながら、能力の技を放つ。
あたかも剣撃であるかのように。

「くそっ!」

避ける隙も与えずに次々と繰り出す技にジャブラが後退する。
その背後へとまた一瞬で移動すると、今度こそ一気に剣を降り下ろした。

『甘いねぇ。これが世界政府の誇る暗殺集団たぁ。笑わせる』

切り伏せられたジャブラを見下ろし、そう言うとジャブラへと背を向ける。

『俺が最後まで相手したかったが。助っ人が来たらしい。俺は行くぞ。あとは頼んだ。』

告げた先を見れば、紫煙を燻らせ現れたサンジ。

「1人くれぇぶっ飛ばさねぇと、顔向けできねぇからな…」

そう言って、2人がタッチするとライは部屋を後にし、サンジは起き上がったジャブラの前へと進んだ。

そして、ライが部屋を出る瞬間にゾロ達へと渡された手錠の鍵を視界に納めるとライはためらいの橋へと向かった。





走る、走る、仲間の元へ

(くそコック。おめぇ、無惨な姿じゃねぇか)
(うるせぇ。ここから名誉挽回だ)

(くそっ!何で俺地下にきたんだべっ!飛べばよかった!!お!ありゃぁ!おーい!フランキー!!)
(あーう!兄ちゃんも来たのか!)
(おう!間違えて地下に来ちゃったけどなっ!)
(そういやぁ…お前飛べたのに何でこっち来たんだ!?)
(いや、なんかこう…勢い!?)
((船長が船長なら、船員も船員か…))

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