rode-32



W7上空へ上がると見聞色の覇気を使う。
散らばった麦わら海賊団全員の動きを確認するためだ。

ルフィは街中を駆けずり回っている。
ナミは船に向かってブルを走らせる。
サンジとチョッパーは合流したらしく、船への道を進んでいるようだ。
ゾロはメリーにいる。
ウソップは……フランキー一家のアジトへ向かっている。
そして、ロビンはブルーノといるらしい。

覇気を島中へと張り巡らせ全ての動きを把握しようとする。

『さぁて、これからどう動こうかねぇ…確実闘う相手はいないだろうから…サポートしかないけどなぁ…まぁ、取りあえずは見守るとしますか…ナミにどつかれそうだけど…』

一旦上空へ留まり事態を見守る事にしたライは表情を引き締めてフランキーハウス上空へ移動するのだった。
見ると、ウソップが1人ボロボロの体を引きずりフランキーハウスへと乗り込むところだ。
内心すぐに加勢に行きたいところだが、なんとか抑えてフランキーハウスから響く笑い声や怒号、轟音を聞く。
それから、少したつと外へと投げ出されてきたウソップを見て、表情を僅かに歪めたライ。

『……歯痒いな……』

それから、フランキーハウス上空で待つ事数十分。
ルフィ、ゾロ、サンジ、チョッパーが現れた。
ウソップに近寄り様子を伺うと、フランキーハウスへと足を向けたルフィ達を見送ると1人メリーに残っていたナミの元へと飛んだ。

『ナミ!皆は?』

あたかも今までウソップを探してました風に現れたライにナミはどつきながら罵声を浴びせる。

「あんた、どこ行ってたのよ!バカ!」

『わ、わりぃ…』

ナミに謝罪しながら、事の次第を聞いて全員が戻るのを待つ事にした。

「そういえば、ロビンの姿見かけなかった?」

『……いや。見てないけど。ロビンがどうかしたのか?』

「チョッパーがはぐれたっていってたのよ。まぁ、ゾロと違って迷子になったりしないだろうから、その内戻ってくるだろうけど」

暫しナミと雑談をしていた所へ、ウソップを担いでルフィ達が帰ってきた。

ウソップをラウンジの簡易ベッドへと寝かせるとルフィが話があると口を開いた。

内容は、船を新しく買う事。
メリー号の船体はもう限界なこと。
説明するとラウンジは静まり返る。

それをサンジが淹れてよこしたコーヒーを飲みながら聞くライ。
と、そこでウソップが目を覚ました。

「あ、ウソップー!大丈夫か!?」

チョッパーが勢いよくウソップへと詰め寄る。
と、ウソップが起き上がり謝罪を述べた。

「わりぃっ!金持っていかれちまった!本当に悪かった!!」

「おい、ウソップ。金の事はもういいよ」

「よくないわよっ!お金よ…あ、ごめん」

「あ!メリーは残った金で直せそうなのか!?」

ウソップの言葉に一瞬全員の顔が強ばる。
だがライは1人涼しい顔をしてルフィ達を見る。

「いや、それがよ?船は買い換える事にしたんだ!」

「はぁ……?」

「いや、今カタログ見てたんだけどな。残りの1億出せば、今よりもう少しでかい船を買えるんだよ。」

「なにいってんだよ!ルフィ!あれか?やっぱり金が足りなかったのか!?一流の船大工が取る金はやっぱり一流で!?」

「いや、ちげぇ!ちげぇんだよ!ウソップ!?」

詰め寄るウソップにあたふたと言い返すルフィ。

「何がちげぇんだよ!金が足りないんじゃなかったら、どうすりゃそんな買い換えるなんて事になるんだよっ!!」

ルフィとウソップの言い合いが始まる。

「金が問題じゃねぇってんなら、遠慮しねぇで言ってみろよ!!なぁっ!!」

黙りこくったルフィはその瞳に憤りを滲ませ口を開いた。

「メリーはもう治らねぇんだよ…」

「……治らねぇって…何言ってんだよ。今!!俺らが乗ってる!!この…この船だぞ!?」

「あぁ…もうメリーは走れねぇんだ…」

ルフィの顔は麦わら帽子で隠れ、その表情を伺い見る事は叶わない。

「ふざけんなよっ!!ルフィ!治らねぇって言われてのこのこ帰ってきたのかよっ!?」

「ウソップ!ルフィだって悩んで…」

「ナミ!!黙ってろっ!!!」

「嘘なんかじゃねぇ。もう…もうメリーは走れねぇんだよ…!!」

そこからはもうただの怒鳴り合いだった。

「新しい船にうきうきしてんだろ!?」

「ルフィ、今までのお前ならメリーの生きたいって底力を信じたはずだぞ!?」

「俺が直す。そうと決まれば、お前らも手伝えよ。さぁ、忙しくなるぞ!」

「ウソップ!お前は船大工じゃねぇだろ!?」

「あぁ、そうだよ!?だけどなぁ、俺はメリーを見捨てたりしねぇぞっ!」

怒鳴り合いは加熱していく一方。
ライが、立ち上がり入り口へと移動する。

「そんなに俺のやり方が気に入らねぇなら!!今すぐ船を…!」

ルフィの言葉を遮るようにサンジがルフィを蹴り飛ばす。

「ルフィ、今何言おうとした。滅多な事言うもんじゃねぇぞ。てめぇら、もう少し冷静に…」

「いや、いいんだ。それが本音なんだろ?ルフィ?調度いい。俺もいい加減お前らの化物染みた強さについていけねぇと思ってた」

「ちょ…ウソップ?何言って…」

「よえぇ仲間はいらねぇんだろ?使えねぇ仲間は捨てて、いけばいい。お前は海賊王になる男だもんな。何も俺はそこまで高みにいけなくてもいい。ただたまたまお前らに誘われて乗り込んだだけだもんな。」

いいながらライの隣をすり抜けて外へと出ていく。
それを追いかけるナミ、サンジ、チョッパー。
船を降りたところで、ルフィとゾロが。
最後にライが外に出て扉によりかかる。

「モンキー・D・ルフィ!!俺と決闘しろーー!お前に勝ったら、メリーは俺がもらっていく!!」




麦わら海賊団 決裂の時

(おい、ナミ。俺は少し船離れるぞ。何かあったら電伝虫にかけろ)
(ちょ!?こんな時にどこ行くのよ?)
(ロビン、探さねぇとだろ?)
(そうだけど…)
(任せとけ。それに、俺はまだお前らから離れねぇよ)
(じゃあ、お願いね?)

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