「○○駅ー、○○駅ー」
駅に着いて、電車のドアが開く。
途端に新鮮な空気がどっと流れ込んできた。
ここはまだ学校のある駅ではないが、背に腹は変えられない。
俺は総司の手を引き半ば強引に電車を降りると、一目散に駅のトイレへと駆け込んだ。
個室に総司を押し込み、後ろ手で鍵をかけながら、壁に押しつけた総司の口内を犯す。
「ンッ、んっ………」
それから体を反転させ、総司に鞄を渡しながら、あいている手で自分のズボンのチャックを開け、自身を取り出した。
「ゴム、あったか?」
「ん、ハイ」
総司が俺の鞄の中から探し当てたゴムを受け取り、手早く自身に装着する。
次に、大人しく待っていた総司のズボンに手をかけ、下着も一緒に引き下ろすと、ぷるんと飛び出た男根をぐちぐちとしごいた。
「こんなにおっ勃てて…期待しすぎなんだよお前は」
「だって、土方さん…っ」
「ほら………ビンビンじゃねぇか」
「……んッ……あぁッ」
「やらしい声……もっと聞かせてくれ」
「だめ、ぇッ……聞こえちゃう、から…」
総司は懸命に声を抑えようとする。
「ちっ……」
その時ちょうど他の利用者がトイレに入ってきてしまい、俺は仕方なくポケットからハンカチを出すと、総司の口に押し込んだ。
「んん、っ…!」
そのまま総司の先走りを指に纏って、少々乱暴に後孔を解す。
朝まで虐めていただけあって、幸いにもそこはまだ柔らかく解れたままだった。
適当に前立腺を擦ってから指を引き抜く。
総司が車内で散々煽りやがったおかげで、俺の息子ももう我慢の限界を迎えているのだ。
声は出せないので、挿入の合図代わりに総司のうなじに口付けを落とす。
それから一気に奥まで突き上げると、総司は背中を大きく仰け反らせ、ハンカチの隙間から荒い吐息を漏らした。
「ッ…く………は…」
「ん、っ…んっ…ふっ…」
電車が何本も発着しているのだろう、ひっきりなしにやってくる利用者にバレないよう、ゆったりしたストロークで総司を揺さぶり、あやすように首筋にいくつも口付ける。
前立腺を擦り上げる度に総司はビクビクと体を震わせ、俺をぎゅうぎゅうに締め付けてきた。
その狭い内部の締め付けに逆らうように腰を引いては再び押し込み、角度を変えて何度も突き上げる。
一緒にイくべきだろうと、律動に合わせて総司自身もしごいてやった。
出すぞ、と言う代わりに総司の耳を嬲り、耳たぶを軽く噛む。
最後に二、三回激しく突き上げると、俺はゴムの中で派手に果てた。
「ぁっ…ぁ……!!」
その衝撃で、総司が便器へ弧を描くように、ピュッと精液を飛ばす。
つい漏れてしまったらしい声がエロすぎてたまらない。
そのままぐったりと力をなくし、荒い息を吐き出している総司を片手で抱きかかえると、俺はゆっくり自身を引き抜き、ゴムをトイレットペーパーにくるんでゴミ箱に捨てた。
それから、ぐしょぐしょの総司自身と穴を痛くないように優しく拭い、後ろから抱き締めるようにしてパンツとズボンを元通りに履かせ、ベルトも締めてやった。
最後に自分の身だしなみを整えてから、総司にくわえさせていたハンカチをそっと抜き取った。
うわ、ぐちょぐちょのべちゃべちゃだ。
まぁ、総司がやったと思えば愛しさしかこみ上げてこないが。
当の総司は、半ば放心状態でとろけたままだ。
俺は仕方なく唇に軽いキスをして、ほっぺたをぺちぺちと叩いてやった。
そのまま大急ぎでドアにかけていた総司のスクールバッグを肩に掛け、自分の鞄を持ち、いざ個室を出ようとしたところではた、と大問題に気がついた。
どうやって出ていけばいいんだ?!
生憎扉の向こうには人がいる気配がしている。
人がいなくなるまで待つか?
いや、もう職員朝礼に遅刻ギリギリだ。
じゃあこのまま飛び出すか?
いや、総司は制服を着ているわけだしさすがにマズすぎるだろう。
……どうする俺!考えろ!考えるんだ!
「…ぅ………」
その時、後ろで総司が微かに呻いた。
「うぅ……おぇぇ……」
「!?」
そうか!その手があったか!
気持ち悪くなりました設定だな?
総司は名演技を披露しながら、俺に向かってニヤリと笑い、親指を立ててみせた。
――総司、俺はお前に惚れ直したぞ。
「大丈夫か?全部出しちまえよ?」
「うぅ―……気持ち悪い…」
二人して猿芝居を続けながら、そっと個室を出る。
猫背を装う総司の背中をさすりながら、なるべく自然に見えるように流しへ行き、口を濯ぐふりをして精液のついた手を洗った。
入ってきたばかりの利用者が、用を足しながらちらちらと此方を伺っているが、あれは完全に"大丈夫かなぁ"という表情だ。
よっしゃ、と心の中で悪い笑みを浮かべながら、俺と総司は無事トイレ脱出に成功した。
途端に元気に歩き出そうとする総司を引き止め、携帯を取り出す。
「土方さん…?」
「まぁ見てろって」
かけた先は、もちろん学校だ。
「あ、俺だ、土方だが、駅で具合が悪くなった生徒を見つけて、今面倒見てるところだ。ただの貧血だから学校には行くっつってるんだが、心配だから一緒に登校しようと思う。だから、……あぁ、…悪いが朝礼はパスさせてくれ」
電話を切った俺に、総司は目を丸くして言った。
「こんな不真面目な教頭先生、どこを探しても他にはいないでしょうね」
「誰の所為だと思ってやがる」
「不真面目な教頭先生のことが世界一好きな不真面目な生徒?」
「よく分かってるじゃねぇか」
俺はくしゃくしゃと総司の頭を撫でてから、再びホームに向かった。
学校まであと数駅、再び満員電車に乗るわけだ。
総司をチラリと見る。
…さすがにもうスッキリしただろう。
流されてしまった俺も俺だが、もう痴漢被害には遭いませんようにと、心の中で密かに願った。
20130325
なんというか、二人とも変態でごめんなさい!
突然変態総司くんを書きたくなっちゃったのです。
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