捧げ物 | ナノ


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「総司、力を抜くんだぞ」

「ん、分かってます」


さぁ、いよいよ本番だ、と気合いを入れる。


「こら、力むなって」

「あ………」


面白そうに笑う土方さんに余裕を感じて、悔しい思いが沸々と沸き上がった。

自分である程度弄っておいた後孔が土方さんから見えやすいように、自ら足を開いてお尻を上げる。

土方さんはベッドサイドに手を伸ばして、一体いつから用意していたのか、いい匂いのするローションを取り出すと、中身を手の平で温め始めた。

何だ、土方さん準備してたんだ。

禁欲生活、ほんとにずっと続けるつもりだったわけ?

やっぱり僕が不安だと思っているのか、彼らしからぬ優しい笑みを浮かべている土方さんを見て、何だかとっても幸せな気分になった。


「少し冷てぇかもしれねぇが、我慢してくれ」

「……そんなの、いつから用意してたんですか?」


一瞬ヒヤッとする感覚に震える体を抑えながら聞くと、土方さんはバツが悪そうに言った。


「………付き合う前から」

「えっ」


それってどういうこと?

まさか、僕の前にも誰かと……


「…いつかは総司に使ってやるって、皮算用してたんだよ」

「え………………」

「変態とでも何とでも思え」


顔を赤くしてそっぽを向いている土方さんに、ドキドキしながら質問する。


「ねぇ、……僕で抜いたことありますか?」

「……………………」

「僕もありますよ、何回も」


沈黙は肯定だと捉えてそう言うと、土方さんは怒ったように手の動きを再開させた。


「や、ちょっ、いきなり、っ!」

「煽るお前が悪い」


いきなりずぷずぷと指を挿れられて、腰が引ける。

僕の努力の賜物なのか、痛みなど全くない挿入だった。

それでも、普段自分で弄るのとは違って、どう動くか分からない土方さんの指にどんどん翻弄されていく。


「ひ、あぁっ、そこ、そこっ、こりこり、しちゃ、だめ、って」

「はは…ここが、そうか………」


自分では意識して触らないようにしてたけど、土方さんに擦られたら、桁違いの快感が襲ってきた。


「ん、んん、あ、あぁっ!!」

「すげぇイイみてぇだな。できるもんなら直接舐めてやりてぇ」


すごいことを言う土方さんに、僕は必死で縋りつく。

再び熱を帯び始めた自身が、土方さんのお腹と擦れて気持ちいい。


「うっ、う、あ、いい、きもちい、っ」

「総司……そろそろ俺も、気持ちよくなっていいか?」

「う、ん…早く、欲しい、」

「……お前ってやつは…」


土方さんは余裕なさげに指を引き抜き、僕の足を抱え上げると、ぐっと熱いものを押しつけてきた。


「あっ………」


その大きさに、つい体が強張ってしまう。

それに敏感に気付いた土方さんは、宥めるように顔中にキスをくれた。


「大丈夫だ、怖くねぇよ」

「知って、ます…」


いざ本番を目前にして、怖くないと言えば嘘になる。

でも、そんなの吹き飛んじゃう。

だってようやく土方さんと、一つになれるんだもん。


「っ………」


ぐぐっと押し入ってくる土方さんは、バイブなんか比にならないくらい熱くて硬い。

そんなに痛みはないけど、穴が広がってる感じがして、感覚自体が薄れてくる。

でも、こんなに土方さんが感じてくれてるなんて、最高だ。


「大丈夫か?」


どこまでも優しい土方さんの首に腕を回して、ギュッと抱き付く。


「僕、嬉しいです……土方さんと、繋がれて」

「お前……」


あ、やば。

土方さんが中でおっきくなった。


「煽るな、って、何回、言やぁ、わかんだ、よ!」

「あぁっ、やっ、激しいっ、激しいって、ば、ぁ!!」


先ほどまでの優しさ一転、ガツガツと腰を打ちつけ始めた土方さんに、余裕という余裕を根こそぎ持って行かれる。


「やぁっ、だ!ンン、あ、っ、あぁっ、イっちゃう!イっちゃう!」

「おら、イけ!好きなだけイけよ!」

「んっ、んーっ、はぁっ、あっ…!」


前立腺を寸分違わず擦り上げられて、訳も分からぬまま白濁が飛び散る。


「や、待っ!まだ、ぼく、っ、イってる、から、ぁっ!待っ、てって、ば!」

「だーれが待つか」


ゴリゴリと腰を押し付けられて、中をかき回される。

先ほど垂らしたローションが、ぬちゃぬちゃと音を立ててシーツに飛び散る。


「やだぁっ、あっまたイく!イっちゃ、あぅ、ぅ、やだ、もういい!いい、のにぃ!」

「そうか、そんなに、イイ、のかっ…」

「違っ、ぁっ、でる!でちゃうってば、や、止まって!やぁっ、も、や、ぁ!」
どんどん薄くなる精液が、お腹に飛び散る。

半泣きになりながら揺さぶられていると、やがて土方さんも僕の中に吐精した。


「ひっ…あ、ぁあっ」


ピシャ、ピシャ、とお腹の内側に熱いものが満ちていく。

どこか嬉しそうに、恍惚とした表情を浮かべる土方さんはどうしようもなく色っぽくて、僕は興奮覚めやらぬまま、自ら土方さんに口づけた。


「ん…土方さん、好き……」


そう言って拙いバードキスを繰り返していると、突然土方さんがむくりと体勢を変え、僕を抱えたまま仰向けに寝転がった。


「え、なに……っ!?!?」


状況を理解するよりも早く、下からズンっと突き上げられる。


「ひぇっ!や、なんで!?」

「悪い、もう一回……」

「うそ…………」



土方さんの"もう一回"は、それから何度も何度も続いて、気付いたら朝になっていた。

僕は、土方さんは禁欲生活なんて絶対できなかっただろうと思うことにした。





月曜日。


「なぁなぁ総司」

「なに?」

「なんでそんなにすっきりしてんの?」

「えー?」


またもや古典の時間、今度は携帯を見ることもなく、土方先生を目で追っていると、平助に話しかけられた。

そういえば、携帯は日曜日の朝に土方先生から返してもらった。

もうあんなサイトなんか見る必要はないだろって。

確かにその通りだ。


「うん、まぁ、いろいろと悩みが解消されたからかな」

「えっ!?悩みってもしや……」

「あのねー、死ぬほど痛いなんて嘘だよ。愛があれば痛みなんて感じないもん。むしろ気持ちよすぎて死ぬ心配をした方がいいというか…」

「は?ちょ、総司何の話してんの?」

「うーん……でもやっぱりテクニシャンだったのかなー。いくらなんでも気持ちよすぎたよね。うー…経験豊富ってのも、それはそれでムカつく………」

「え!!?なに?卑猥な話?!」

「あ…………」

バシッ

「うぎゃっ!!」


あーあ。

土方先生さまさまが、ギャーギャーうるさい平助に、出席簿をクリティカルヒット。

何だか見たことある光景に、平助も学ばないなーなんてのほほんとする。


「こら!授業中にてめぇは何ちゅう声を出してやがる!!」

「うぅ……いってぇ!体罰!体罰反対!」

「二人とも後で古典準備室に来やがれ!みっちり説教してやる!」

「えぇ!何で僕まで!」

「お前がエロい話するからだろうが!」


土方先生の言葉に、女子はざわざわ、男子はゲラゲラ。


「違います、マッサージの話ですよ?」

「どちらにせよ、授業中に私語は厳禁だろうが!!」

「ちぇー」


まったく、ここまでスイッチが切り替わっちゃう先生ってどうなのさ。

夜はあんなにエロっちいくせにね。

僕だけが知っている、土方先生の隠れた一面。

それを思い出して、密かにほくそ笑む。

禁欲のたかも外れたことだし、今度は学校で迫ってみようかな、なんて思ったのは、ここだけの秘密だ。



2012.08.30


66666番を踏んでくださったイカ様に捧げます。

土方先生×学生総司で初夜、ということでした。

エロってなかなか上手くいきませんね。
総司が変態ですみません(汗)
いや、これも愛故…!

こんなものでよければ是非受け取ってください。

リクエストありがとうございました!




*maetop|―




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