す、っと意識が覚醒する。
「ん…」
幾ら意識は浮上したとはいえ、外はまだ仄暗い。
辺りの気配を探っても緊急事態があるわけでもないらしい。
それならば寝返りを打とうとしたら身体が上手く動かない。
「……あ」
それが土方の所為だと背中から回された腕が目に入り気が付いた。
そう意識すればその寝息が首に掛かって思わず身を捩る。
身体を重ねてからまださほど時は経ってない。
また火を点けられては敵わない、と土方を起こさぬよう注意を払いながら腕を外そうとした時。
不意にその腕に力が籠り抱き竦められた。
「お、起きて、たんですか?」
「…んー?お前が動いたから目が覚めたんだよ」
そう言いながらも沖田の首筋に顔を埋め。
スルリと唇で掠める。
「っ…ちょ…っん、ぁ」
それは冷め切らない熱を上げるには十分なもので。
「土方、さんっ!」
咎めるように声を上げた。
それにくつりと笑んだのが振動で分かる。
「…足りなかったか?」
酷く艶を含んだ声を耳に吹き込んできた。
「ん、も…十分…っ!」
です、と最後まで発する前に身体を返され噛み付くように口付けられる。
息を継ぐ間も与えられずに貪られ頭に霞が掛かってきた頃に漸く解放されて。
最早身体の熱はしっかりと戻ってきてしまっていた。
ズルい、と潤んだ目で睨み付けた所でどうにもならず。
「やっぱり足りなかったんじゃねぇかよ」
などと、笑いを含みながら言われてしまう。
その余裕が悔しくて顔を背ければそこに降りてくる唇。
「っ…ん…っ」
辿る舌の動きに翻弄され。
「っあ、ひじか、さん…っズルい…」
と、漏らす。
こんなに自分はいっぱいいっぱいなのに、と。
「…総司」
甘く囁かれ、導かれるまま覆い被さってくる年上の男に腕を回し縋り付くしか出来なくなりながら。
ズルい、と繰り返した。
神楽さんが誕生日祝いにと書いてくださいました(T_T)原稿などでお忙しい中書いてくださって、ほんっとうに嬉しい頂き物です(T_T)
もう!もう!首筋を掠める土方さんの唇とか、想像しただけでゴロンゴロンしちゃいますね!いっぱいいっぱいの総司と、余裕綽々の土方さん、ものすごく好きです!the★土沖って感じがします(笑)
神楽さん本当にありがとうございました!
20131114
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