宝物 | ナノ


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※来夢様のサイトの「土方家の暮らし」の設定で書いていただきました。






***幸せ家族




「ほら、もぅ遅いから寝る仕度するよ」


布団を敷きながら一人遊びをしている統司に声をかける。


「布団敷くの手伝ってよ」

「ねぇ、そーじ。」

「ん?…あ、そこのシワ直して」

「あ、はい…って、あのね…一緒に寝よ?」


可愛らしく返事をしてシーツのシワを直しながら僕を見上げて首を傾げて言う。


「一緒にって、いつも一緒に寝てるじゃない」

「そうだけど、お父さんも一緒にって意味なの」

「歳さんも?」

「うん!!」


にっこり笑って頷く統司は可愛いし、統司が願うことは何でも叶えてあげたい。

それに僕だって…歳さんと一緒に寝たい。

けど、最近の歳さんは凄く忙しそうだし、話す時間だってあまり無いくらいだ。


「…きっと疲れてると思うから、またにしよ?」

「…やだ、嫌っ!!今日がいいの」

「嫌って言われても…僕と二人じゃ嫌なの?」

「嫌じゃない…けど、三人がいいの」

ジッと僕の顔を見つめてくる瞳にはうっすらと涙すら浮かんでいる。


「そーじとお父さんと寝たい…」


ぼそっと呟くように言う姿は寂しげで、罪悪感を感じる。

歳さんも僕も忙しいときはいつも一人だし、歳さんが過保護だからあまり外で遊んだりもしない。
いつも寂しい思いをしてると思う。


「…統司」

出来るだけ優しく名前を呼び座っている統司に近より小さい身体を抱き上げる。


「駄目かもしれないけど、歳さんの部屋に行ってみようか?」

「え…いいの?」

「一緒に寝たいんでしょ?」

「でも…そーじ、またにしょうかって」

「聞いてみるだけ、ね。良いかはまだ分からないよ。」

「…ありがとう」

嬉しそうにぎゅっと僕の首に腕を回して抱き付く統司を抱え直して部屋を出る。



****




「歳さん、総司です」

「総司か、入っていいぜ」


土方さんの部屋の前で止まり声を掛ければ、少し疲れてるけど嬉しそうな声音で招き入れてくれた。

ゆっくりと統司を落とさないように襖を開く。


「お、統司も一緒か」

「うん、こんばんは、お父さん」

僕に抱かれたまま、顔だけ歳さんに向けて統司はにっこりと微笑む。

「それにしても、総司が部屋に入る前に一声かけるなんて珍しいな。」

「そうですか?」

「あぁ…で、何か用か?」

「はい、統司からお願いがあるみたいで、」

「統司から?」

「えぇ、ほら自分で言いなよ」


そっと統司を降ろしてやると、歳さんの真ん前に歩いて行きちょこんと可愛らしく正座をする。

それを見つめる歳さんの頬はかなり緩んでいて、何だか面白い。


「あのね、一緒に寝よ」

「俺とか?」

「うん、お父さんとそーじとぼくで」


にっこりと微笑む統司は健気で可愛らしい。

僕だったら断る事なんて出来ないと思う。でも、歳さんの机にはたくさんの書物が置いてあってとても寝ている暇なんて無さそうだ。

「……少しだけ待っててくれるか」

「「え…?」」

「この一枚が終わったら一緒に寝てやるから、そこの布団にでも入って待っとけ」

「ぁ…いいの?」

「あぁ、可愛い統司と総司の頼みだからな」

「ぼっ僕は頼んでないです///」

「クスッ…ま、たまには家族で寝るのも良いかもな」

にっこり笑って歳さんはまた書物とにらめっこを始める。

「統司、布団に入ろう」

「うん♪」


僕は統司を抱き締めるようにして布団に横になる。


「良かったね。」

嬉しそうに微笑みながら大きく頷く統司につられて僕も微笑む。


「ありがとう、そーじ」


そう言ってぎゅっと擦り寄ってくる統司を抱き締めてやる。










「よし…寝るか」


「終わったんですか?」


「あぁ、待たせたな。統司は…寝たのか?」


優しそうに微笑みながら僕にしがみついて眠る統司の顔を覗き込む。


「…さっきまでは起きてたんですけど…いつもならもっと早い時間に寝てますからね」

「そうか…寂しい思いばかりさせて悪いな」


そう言って統司の頭を撫でる歳さんは、父親って感じで何だか不思議な気分だ。


「歳さん、早く布団に入って寝ましょ」


「あぁ……」


歳さんは頷いてもぞもぞと布団に入ると、統司を抱き締めてる僕ごとぎゅっと抱き締めてる。


「総司、いつもありがとな」

「っ…何ですか、急に///」

「いや、お前がしっかり統司の面倒みてんだなぁと思ってな」

「だって、僕と歳さんの子だもん。当たり前です。」

「クスッ、そうだな。総司、愛してるぜ。」


歳さんは優しそうに微笑み、首を伸ばしてきたかと思えばそっと僕の額に口付けてきた。


「ぼ、僕も…愛してます///」


照れながら言えば、ぎゅっと抱き締めてくれる。


僕に歳さんに統司。

三人いつまでも、ずっと一緒に幸せにいられますように。



***幸せ家族





来夢様の統司くんが可愛くて大好きなのでお願いして書いていただきました!

土沖のおしどり振りも素敵です。
統司くん挟んで川の字してればいいと思います(笑)

個人的に土方さんがお父さんと呼ばれているのがたまらんです。

来夢様、この度は相互リンクありがとうございました!




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