宝物 | ナノ


[1/2]



大好きな貴方が産まれた日。



だから僕にとっても


凄く大切な日。



貴方にとって今日が


幸せな一日でありますように





***貴方に幸せな一日を





5月5日



今日は、僕の恋人で学校の先生の土方さんのお誕生日だ。



でも


「………こんな日まで仕事なんて…」



昨日届いたメールを見て、ため息を吐く。


本当だったら今日は朝から二人でお出掛けして、一緒に夜ご飯を食べる予定だったのに。



「お仕事だもん…仕方ない。」



それでも…ちゃんと御祝いしたかったな。



土方さんに内緒で買ったプレゼントを抱き抱えてソファに座る。

この部屋に土方さんは、何時もどってくるのだろうか。




***





時計が示す時間は、午後10時。


あれから僕は、何となくだらだらと一日を過ごした。

気分転換に外出して買った土方さんへのバースデーケーキを机に置いて、何時土方さんが帰って来てもおめでとうって言えるように待っているのだ。



「はぁ…」


今日は、大切な日なのに…何時にも増してため息ばかり吐いている。


仕事だから、仕方ない。


何回この言葉を自分に言い聞かせただろうか。



早く帰って来てよ…



バースデーケーキを見詰めてそっと呟いた




―|toptsugi#




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -