宝物 | ナノ


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「…それにな、アイツの行動は…手を焼く事が多いが、何つーか、可愛くもあるんだよな…。」


「…ははは!確かにな!」



末っ子として育った土方には、総司は弟分として可愛くもあり、ついつい甘やかしてしまうと漏らしている。

それを聞いた近藤は、仲の良い様子に安心したのか、朗らかに笑って返していた。



(…土方さんったら…。)



少し照れながらも、総司は嬉しそうに口角を上げて微笑んだ。


此処だけの話、近藤や千鶴は土方と総司が恋仲である事を知らない。


その為、昔から一緒にいて苦楽を共にして来た仲だから、お互いを信頼して大切に思っているんだ、と近藤と千鶴は解釈していた。



だが、続きを聞いた瞬間。

近藤は首を傾げ、千鶴は赤面する事となる。



「…総司は、嫁は取らさねぇ。俺が、一生面倒見て離さねぇよ。」


「…いや、歳!流石に、嫁を貰わんとは…なぁ…」


「…は!何処の女狐にもやらねぇよ!アイツは、俺のもんだからな!」


「…俺のもん…とは…?」



天然で恋愛に少し疎い近藤は、土方の言葉の真意を掴みかねて、頭の上に疑問符を浮かべる。


一方、女の勘の鋭さで土方が言っている内容を瞬時に把握してしまった千鶴は、頬を染めて俯いてしまった。




*maetoptsugi#




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