懐かしい夢を見た。
いや、夢…とは少し違うのかもしれないが。
決して、忘れてはいけない大切な約束。
今度こそ一緒に…そう誓ったのに
何故、今俺の傍にいない?
なぁ…総司。
***今度こそ…
5月30日
今日は、総司が亡くなったとされている日だ。
実際に俺はその時の事を見たわけではない。大切な存在。愛しい存在の最期を俺は後々になってから報告として送られてきた文で知った。
「…総司」
総司を独りにしたのは、置いて行ったのは俺だ。
もし、この時代に総司もいるなら今度こそ…お前を幸せに、俺が死ぬときお前と約束したように一緒に…
一緒にいような。
目を閉じて、記憶の中の総司にそう約束する。
前世では、もっと若いときに出会って同じ志をもって進んでいたのに、今の時代では、幾ら捜してもその存在は見つからない。
何処にいるのだろうか…もしかしたら、この時代に産まれていないのかもしれない。
そう思わないでもないが、何となく総司もちゃんとこの時代にいる気がした。
「久々に、会いに行くか…」
一応、命日でもあるし
総司の墓に行くのも悪くない。
今、あいつの存在を確認出来るのは150年近く前のあいつだが、其所しかないのだ。
なぁ…早く俺の元に来いよ。
出掛ける仕度をしながら、そっと記憶の中の総司に呟いた。
***今度こそ…
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