「…本当に悪かったな、斎藤。迷惑掛けちまって。」
携帯を鳴らしたのは土方で、斎藤のアパートに着いたというメールだった。
玄関を開ければ、車を飛ばして来たらしい土方が立っていた。
「……いえ、大丈夫です。それより、…総司が…。」
「……ん?どうした…?」
「……ずっと、膝を抱えて…寂しそうにしていました。恐らく、十分反省しているものかと。」
斎藤が告げた内容に一瞬眼を見開いた土方は、苦笑しつつ頷いて頭をかいた。
「…あぁ、分かってる。いろいろ世話になっちまったが、有難うな。お休み。」
「はい、お休みなさい。」
ソファーに膝を抱えて眠っていた総司を抱き上げて、土方は斎藤の部屋を出た。
車の助手席にその身体をそっと座らせ、自分は運転席に回る。
シートベルトを絞めながら隣を見れば、赤く腫れてしまった総司の頬と瞼が視界に入る。
「……こんなに、腫らしちまって…。悪かったな…、総司…。」
土方は運転席から身を寄せて、瞼と頬にそっと唇を落としてから車を発車させた。
次の日、総司は同じベッドで眼を覚ました土方の存在に心底驚いた。
「……お早う、総司。昨日は、悪かったな…。」
「……土方さ…っ!」
優しい笑みと共に謝罪をされて、再び総司は涙腺を緩めた。
「…っ、僕の方こそ…、ごめんなさ…っ!本…当…は、だい…しゅき…!」
「……あぁ、俺も好きだよ、総司…。」
号泣した総司は、一部呂律が回っていなくて。
そんなコイツも可愛いな、と土方は一人微笑んでいた。
(沢山の大好きと)
(御免ねを込めて)
(大好きな君に)
(口付けを捧げます)
END
20120607
倦怠期で喧嘩して土方さんが総司くんを怒っちゃって総司くん泣いちゃって、でも甘落ち、というものすごく欲張りなリクエストをさせていただきました。
そうしたらこんなに可愛い総司くんをプレゼントしてくださいました…!感涙!
こんな素敵なのわたしがもらっちゃっていいのかしら。
だいしゅきですよ皆さん!だいしゅき!
あの瞬間わたしの脳みそは溶けました。
最初の「土方さんがぶった!僕のほっぺ!」も可愛かったのですが。もう色々興奮ですよね!!!
空也様本当にありがとうございました!
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