時計の針が指しているのは
午後11時。
なかなか終わらない仕事に苛々しながらも目の前の仕事の山を片付けていく。
本当なら総司と一日楽しく過ごしているはずなのに…
早く帰らねぇと…
『お仕事なら…仕方ないですよね。頑張って来てください。出来るだけ、早く帰って来てくださいね。』
寂しげに微笑む総司の顔が頭に浮かぶ。
「…帰るか、」
終わってはいないが、一応区切りの良いところまではやった。
俺は、急いで帰る自宅をして総司の待っている家へと急いで向かった。
***
「お帰りなさい、土方さん」
急いで帰って玄関を開けると、にっこりと微笑みながら総司が出迎えてくれた。
「あぁ、ただいま。遅くなって悪かったな。」
もしかしたら寝ているかもしれないと思っていただけに、寝ないで待っていてくれただけでなく、講して出迎えてくれたことが凄く幸せで嬉しく感じる。
「お仕事、お疲れ様です。ご飯は、食べてきましたか?」
「まだだ…」
「それじゃぁ、用意しますね」
可愛らしく笑って背を向けて奥に入っていく総司を見て頬が緩む。
「あ、土方さん…お誕生日おめでとうございます///」
くるっと振り向くと少しはにかみながら恥ずかしそうに言う総司にズキュンっと心を撃ち抜かれた。
キッチンに向かう総司に手を伸ばして抱き寄せる。
「ありがとな」
「っ///…ケーキもプレゼントも用意してます。」
「ありがとう」
「………土方さん、産まれて来てくれてありがとうございます/////」
「土方さん…と、歳さんのことっ…愛してます////」
恥ずかしそうに顔を真っ赤にして言う総司が可愛くて堪らない。
「歳さんっ」
ぎゅっと抱き付いてきたかと思ったら、不意に総司が顔をあげる。
ーーーちゅっ
「…ごっご飯の用意してますね!!////」
一瞬だが、唇に触れた柔らかい感触。
大急ぎで俺の腕から逃げるように離れていく総司が堪らなく愛しい。
「ありがとな」
総司の背中にそっと呟いた。
***貴方に幸せな一日を
(土方さん、これプレゼント///)
(おっ…ありがとな)
(何が良いか、よく解らなかったから…)
(ネクタイかぁ///…ありがとな、大切に使わせてもらう)
(良かったぁ///…あ、あと…今日は、土方さんの好きにして良いですよ…僕のこと////…)
(っ///…)
▲ *mae|top|―