友達とお揃いでつけているストラップを揺らしながら携帯を弄る。

バイト…バイト…どこでしよう。

たくさんの広告の中一つのカラフルな店が目に止まった。

『カフェ……ねぇ、』

よし、ここにしよう。最近できたお店の近くにあるカフェ。

すごく雰囲気もよく、なによりも中学生オッケーだ。

なにこの素敵すぎるオプション。

感動していると自転車の急停止音と、人の声が聞こえた。

「さくら!!」

その声に前を見るともうすぐそこまで人が迫ってきていた。


ドンッ!!!



『あ、いたたたた…』

猛烈な痛みが身体を襲う。

「大丈夫か?」

目を開けると黒髪の男の人が手を差し伸べていた。

『あ、はい。』


すぐ横を見ると私と同じように尻餅をついている女の子。

ああ、この子とぶつかっちゃったんだ。

『私は、大丈夫ですけど…あなたは平気?』

黒髪の男の人の手を借り、起き上がりそして私はその女の子に手を差し出した。

「あ、はい。すみません。」

手をつかいその子が起き上がるのを手伝う。

あ、友枝小の制服だ、なつかしい。

そんなことを思いながら制服についた汚れをパンパンと叩く。

『じゃあ失礼します。本当にごめんね。』

そう言い2人の横を通る。

その時に感じたすごい魔力。

「ほれ、だから走るなっていったじゃねーか。」

「だ、だって……。」

そんな兄妹の声を聞きながら私は口端を持ち上げた。




出会いは突然に









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