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姫side
別に柚子が怖がってることくらい僕でも分かる。
だって、手の震えを抑えるのに精一杯って感じだもん。
・・・とりあえず、話を変えてみようかな?
『別にここにくるのはいいんだけどさー・・』
『さー?』
あれだよね、うん。
『食料も何も無いのにどうやって生きていくの?』
そう、ここには本当に何もない。
真っ白で、私達二人以外誰もいない、何もない。
何も無いのだから当然、食料も水も無い。=生命の危機
『ま、なんとかなるんじゃないですかー?』
『ま、それ信じるしかなi・・・・・!?』
『え、姫どうしたn・・・・!?』
何があったか分からなかった。
全ての出来事は、そう。ほんの一瞬の出来事。
私達が綺麗な、だけど少し眩しすぎる光につつまれた。
そして、次私達が瞼を開いた時には。
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これまたさっきとは違う感じ、だが自分達の居た世界ともどこか違う、路地に居た。
『いっつつ・・・・あれ?また違う所だ・・』
『おっはよーう!!あれ、ここどこ?』
・・・テンション高くね!?
『柚子、テンション高すぎ。というか此処何処?見た感じ路地って感じだけど・・』
『うーん・・けどなんか、隣の家見たことある気がする。』
『どっちにしろ道聞かなきゃ帰るにも帰れないし・・聞いてみるか!』
そういって私達はその家の表札の前に。
そこには、僕達が発狂してもしきれない程嬉しい事実があった。
柚子も分かっていたかもしれない。だがそれを証明するものがなかった。
でもその事実は、今私達の目の前で。
ブラウン管越しでもない、私達の肉眼がそれを証明していた。
『ツー君、朝ご飯は?』
『食べてる時間がないって!遅刻だよ〜、行ってきまーす!!』
そして今、私達の目の前を通り過ぎた。
それは正真正銘、偽者でもなく、本物の。
柚子が大好きな。
『綱吉ぃ〜〜〜〜!?』
沢田綱吉が居た。
これで確信ができた。
この調子だと、まだ一話だろう。
一話はまだ見ていないが、分かる。
ここは。私達がもっとも来たがっていた世界。
・・・・・・-―――――家庭教師ヒットマンREBORN!!の世界だ―――――--‐・・・・
(何故僕らが選ばれたのかわからない)
(考える事はたくさんある)
(だけどもただ俺達は純粋に喜んでたんだ)
(ただ一つの、闇に気づかぬまま―)
2010.12.6 柚姫