10-2
ゆずside
やべぇ姫の顔がガチで引いてる顔になっている。あれ姫この展開知ってるよね!?何で引いてんの!
あ、一歩後ろに退いた。といいつつ俺も2歩ぐらい後ろに引いてるけどね!だってハルさん怖いんですもん!超可愛いけど!!
そんな俺たちの様子にリボーンさんが気に留めもせず、帽子へちょこんと乗ったレオンを指へ乗せた。
「俺に気安く触るな。」
「えっ」
「俺はヒットマンだからな」
レオンを銃に変形させて、銃口をハルさんに向けた。
いやん可愛い女の子に銃口なんて向けちゃダメよ!・・・・・俺気持ち悪いな。
「こっこら!リボーン!人前でそんなことっ」
パァンッ
綱吉君の言葉を遮ったのは確かに綱吉君の頬を狙ったハルさんの平手。
あ、忘れてた。頭の片隅で小さく呟きながら、ワナワナと震えるハルさんへ視線を向けた。
「最低です!!赤ちゃんになんて事教えてるんですか!!」
「は、はぁ?」
「赤ちゃんは真っ白いハートを持った天使なんですよ!!
あなたはその純情を腐ったハートでデストロイですかー!!??」
「い、意味わかんねーよぉっ!!」
綱吉君へ掴み掛かるハルちゃん。・・・・・・・あれ?そういえば俺達の存在に気づいてる?おーい、おーい!
ハルちゃんに胸倉を掴み掛かられ、ぎんっと目を吊り上げる彼女に、綱吉君は軽く半泣き。
か、可愛い!!・・・・じゃないや。つ、綱吉君がんばってー!
わたわたと、(心の中で)応援している俺に、姫が隣でぼそっと呟いた。
『・・・よぇぇ・・・・』
・・・コラアァアアァァアア!!
姫ぇー!?駄目だよそんな事言っちゃ!!いや俺も思ったけど!めっちゃ思ったけど!
・・・あれ?何か綱吉君こっち見てますけど。ごっつ見てますけど!!
黒いオーラ的な物が背後に見えるんですがあれって気のせいですよね!・・・気のせいですよね!!!
むしろ気のせいであってくれ!!切実に願うよ・・・!
「ガハハハハ!!ランボさんとーじょーっ!リボーン!覚悟ォォー!!!」
馬鹿がキタァアァア!!!!
いやいやいやKYB(空気 読め 馬鹿)!!ターザンしながら手榴弾持ってこっちくんな!!・・・とか思ってたら両手をロープから離したせいでランボが顔面から地面へと落ちた。
・・・馬鹿だ。地面とキスをしているランボが半泣きながらに顔を上げ「が、ま、ん・・・」などと言っていた。
そんなランボを見て、ハルちゃんがランボに駆け寄った。
「あらあらあら、ボク、大丈夫?」
ランボを抱き起こしたハルちゃんがランボくんの顔を覗き込んだ。
「っきゃぁああぁ〜!!微妙に可愛い〜!!」
『微妙にかよ!』
『び、微妙って・・・・。つかランボとか全然可愛くないんですけど』
『同感。』
「お、おい何してるんだよ!今のうちに逃げるぞ!」
『へ、』
『うわ、』
頭にリボーン君を乗せた綱吉君に腕を引かれた。いきなり引っ張られたせいでバランスを崩しそうになった俺は咄嗟に姫の腕を掴んだ。
転ぶことさえ許されないとでも言うようにもう一度腕を引かれ、走り出した。俺が腕を掴んだせいで姫もバランスを崩しそうになっていたが、なんとか持ち直していた。
流石姫!ほぅ、と感嘆の息を吐いた所で、ぼそりと、低く、地を這うような声で綱吉君から放たれた言葉に思わず固まってしまった。
「ゆず、後で覚えとけよ・・・?」
君、読心術とか使えたっけ・・・?
・・・いや、ホント、めっちゃ弱っ!!とか思ってすみませんでした・・・。