8-4
三春柚子side
「おはよっツナ君」
後ろから可愛らしい声に、びくり。肩が震えた。
「き、京子ちゃん!おはようっ(今日も可愛いなぁ〜・・・)」
頬を赤く染めながらニコニコと笑う彼を見てズキリ、胸が痛んだ。
そして軽く目を伏せる。
すると俺達の存在に気づいた彼女があっと声を上げた。
「瑠都鎖さんと三春さんもおはようっ」
ニコ、可愛らしく笑う彼女。
それはまるで花が咲いたように明るく、綺麗に。
『ん、おはよう』
『笹川さん、おはようございます』
ニコリ、それぞれに微笑みながら挨拶をするともう一度綺麗に笑った。
「それでこの子ツナ君の弟?」
笹川さんが綱吉君の足元を指差しながら言った。
「え?・・・・・・んなっ!?いつの間に!!?」
視線を下へと向けると目に涙を溜めたランボが綱吉君の足に引っ付いていた。
綱吉君いつの間にかくっついていたソレに声を上げて驚いた。
「何すかコイツ?」
「お、可愛いなー!」
ランボ君を見て、二人が声を上げた。
ちょ、山本さん!ソイツ見た目だけですよ!騙されないでください!
中身はただのうざい奴です!牛です!馬鹿です!下品なガキです!ただの紳士です!イタリアンです!あ、これ十年後か!
「ぼく、いくつ?お名前は?」
ニコニコ。笹川さんが可愛らしく微笑みながらランボに尋ねる。
やはり可愛い。まるで天使だ!女神だ・・・!畜生。嫁に欲しい・・・。あ、黙る。
「まずいんじゃない?学校まで連れてくるなんて。」
・・・・ですよねっ!
冷めた目でランボを見下ろしている黒川さんの言葉に俺は何度も小さく頷く。
本当にまったくだ。だからさっさと俺の嫁・・・・げふんっ綱吉君から離れてどっか行け牛。
そんな意味を込めながら俺も冷たい眼で見下ろした。
2011/01/06 三春柚子