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その頃の柚子side






「ん、んなー!!?ちょ、まぁっ!?」


『おや、綱吉さん起きてしまいましたか・・・チッおはようございます』


「(今舌打ち聞こえたー!ヒィイ!!こえぇえ!)」

ギシ、そんな音が聞こえてユルユルと目を開けて見えたのは柚子のドアップ。
慌てて叫ぶと舌打ちと共にベットを降りた。



『そして残念ながら、綱吉君。もうすぐで遅刻ですよ』


ほら、と目覚まし時計を見せ付けると、目を見開いて叫んでいた。
朝からよくそんな大きな声が出ますね、凄いですー。



『それと姫が先に行ってしまった様なので、俺ももう行きますね。転校生なのに遅刻なんて嫌ですから・・・。』


では。そう言ってパタンとドアを閉める。
何かを叫んでいた様だが、無視をしてトントンと階段を下りる。


その途中。リボーン君が階段を上ってきたのが見える。


『お、リボーン君おはよう。』


「ん、起きたか。ダメツナはまだか?」


『あ、起こしておいたけど・・・着替えもまだみたいでした』


「そうか。」


ニッ、小さく口元に笑みを浮かべて、また階段を上る。



そして、多分このままでは遅刻するかもしれないが、原作では普通に登校していた様なので大丈夫だろう。


それに俺は足が意外と速いほうだ。これは母譲り。母さん陸上部だったらしいからな。


「あら、柚子ちゃんおはよう!柚子姫ちゃんもう行っちゃったみたいよ?」

『はは、大丈夫です。朝ご飯・・・食べれないですね』


「ふふふ、そう言うと思ってパンを焼いておいたわ。ツッ君もよく遅刻するーって言いながらパンを咥えながら行った事もあったわよ」





いやいやどこの少女漫画だよ




なんてツッコミたくなったけれど、想像した綱吉があまりにも似合っていて、というか可愛過ぎたのでやめた。


『あはは、ありがとうございます』


ニコリ、笑ってからパンをくわえる。
うん、美味しい。さすがママンだ。



『ひょれふぇあいっれひまふ(それでは行ってきます)』

「ふふ、行ってらっしゃい」

パンをもごもごと動かしながらそう言った俺に小さく笑ってから俺に向けて手を振った。



さて、急ぎますか。
走り出した俺の背を押すように、風が吹いた。






――――――――――



『ふあー、疲れたー。』


朝は弱いんだ、コノチクショーめ。
そう口を尖らせながらブツブツと呟く。

いや、ついたのは着いたんだけどさ、眠いのよ。
いやいつも眠たくてヌボーとしてるんだけど。

朝から何で走らなきゃいけないんだ。
綱吉か、綱吉のせいかこの馬鹿ぁあああ!

・・・なんて言えるわけないし。




『柚子ー!』


『おー、姫。・・・とー(獄寺か・・・て事は3話か・・・早いな)』


『遅いよ、もう!・・・あ、獄寺君。この子は三春柚子って言って僕の友達なんだ!』


『よろしく』


「・・・ケッ」

うーん、可愛くないなぁ。
もうちょっとニコニコすればいいのに・・・っても無理な話か。


「おぉ、待たせたな!それじゃあ教室に向かうから。入れと言われたら入ってこいよ!」


「・・・」


『はい!』


『わかりましたー』


あぁーめんど。
俺かなりのチキンなんだけどー。まぁ全員年下だけどね。
チキンは辛いぜ・・・←



はぁ、うまくやれるかねー。






       2010/12.16 三春柚子





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