140字(twnovel) No.9

 
■Log ; 2013年10月下旬(No.238〜273)
273.not found/272.おーい、サッカーしようぜ!/271.猫警部/

270.私の一部のあなた/269.うラめしや/268.何も無かった/267.続・奇病/266.奇病/

265.カーテンとペンキ/264.お化けカボチャにご用心/263.新米魔女の旅立ちの日/262.イタズラ、して?/261.ポケットの飴ちゃん/

260.カボチャ頭/259.ネタをくわえたドラ猫/258.かけ違えたボタン/257.単調な生活習慣/256.置物のような猫/

255.家事しないロボット/254.愛してるから言えなかった/253.確信犯/252.愛のかけ算/251.あなたが教えてくれた愛/

250.愛しい卵/249.愛しい妻へ/248.恋した感じ/247.ブラッディー赤ずきんちゃんのお出迎え/246.ふたりが愛した宿/

245.愛の形は/244.愛しのカメラマン/243.創造主の愛し方/242.白猫と黒猫/241.てんてこ舞い/

240.世界が滅亡しなかった日の妻/239.世界が滅亡しなかった日の夫/238.家事ロボット/


【家事ロボット】
あれもこれもシタイのデスが今日は接続が悪いのデス。脳から出る指令に体がツいて来ないのデス、と不調気味の家事ロボット。
秘蔵の天然オイルを飲ませてみると、すぐに調子が良くなり動き始めた。しかし次の日になると、また不調を訴えるようになった。
コイツ、調子に乗ったらしい。


【世界が滅亡しなかった日の夫】
昨日、妻の様子が少し変だった。どこか上の空で、妻の大好きな抹茶アイスを半分も食べたのに買い戻しを要求されなかった。
そういえば、昨日で世界が滅びるんだとか言ってた気がする。よくわからないけど、仕事が終わってから抹茶アイスを2つ買ったから、これで元気になるはずだ。


【世界が滅亡しなかった日の妻】
帰宅した夫が、抹茶アイスが2つ入った袋を渡してきた。
コンビニで買うと高いのに…と喉から出かけた小言を飲み込む。一応、昨日のことを気にしてくれていたみたいだし。
私のアイスを半分食べても倍以上で返してくれる、この人の優しさがずっと好き。
(#世界もっと愛したい協会 へ提供)


【てんてこ舞い】
伝統芸能を残すために、能楽を小学の必須科目にすることになりました。
能楽は、お囃子(はやし)に合わせて謡(うた)をうたいながら舞う劇。
さあ、どの教科に組み込むか。
体育?音楽?
複合している複雑な教科に、先生たちは楽しむ余裕なんてなく、脳みそがてんてこ舞いでした。


【白猫と黒猫】
毛並みが美しすぎて、お外で遊べないかわいそうな白猫。
全身真っ黒に汚れるまで、遊んでみたいと思わない?と、窓ガラスに映る黒猫が囁く。

お外はイケナイ。他の猫と遊んだらイケナイ。私は何をしてもイケナイ子なの。
だから私の理想の黒猫は、今日もたくさん遊んできてね。
( #twCATnovel へ提供)


【創造主の愛し方】
世界は一度、滅びてしまった。焼け付くような熱い愛で。みんな地球を愛するあまり、地球を傷つけるすべてのものを排除したのだ。
それから少しずつ再生する世界には、美しい緑と青い海と空。自然に逆らわずに生きる動物たち。ヒトの姿はどこにもなく、創造主のあの人は満足そうに微笑んだ。
(#全最愛祭 へ提供)


【愛しのカメラマン】
特別な日、ではないけれど。
君が温泉好きだから。
秋の山は赤く染まって、山奥の温泉街までドライビング。
紅葉狩り。
助手席でカメラ片手に秋を撮り、ついでにと運転中の僕も撮る。
いいけどさ。
温泉に入る前から、はしゃぎ過ぎ。
のぼせても知らないよって言う僕を、君は無邪気に笑って写す。
(#全最愛祭 へ提供)


【愛の形は】
愛には形がないから、愛を見ることはできないなんて、本当なの?湯水のように湧き上がるこの熱い気持ちが見えないから、あなたに伝わらないというの?届かないというの?あなたのその火照った頬、熱い眼差しが私にはよく見えている。本当に、愛の形は見えないのかしら?
(#全最愛祭 へ提供)


【ふたりが愛した宿】
この宿に泊まるのも今日で35回目。
毎年の結婚記念日は、新婚旅行で泊まってお前が気に入った、ここで過ごすと決めていた。
変わらない景色、変わらない温泉。
一泊した後、支払いをしながら女将に礼をする。今年も良かった。また来年もよろしく頼むよ。
宿泊料ひとり分を渡して、宿を出る。
(#全最愛祭 へ提供)


【ブラッディー赤ずきんちゃんのお出迎え】
夫婦仲が冷えてきたので、温泉にでも浸かってあったまろうと考えた。
宿を検索していると #全最愛祭 の #湯宿純桜 を見つけた。すぐ予約して出発。
私たちを出迎えたのは、赤いずきんを被った女の子。なぜか手に持つのは斧。
「いらっしゃいませ、大神様。お待ちしておりマシタ」
(#全最愛祭 へ提供)


【恋した感じ】
いつも同じ電車に乗る。
あなたも同じ車両に今日もいる。
同じクラスだけど、話したことがなくて。
でも同じ時間を積み重ねているだけで、なんとなく、この人は私の人生の一部だと思った。
だんだん距離が縮まって、隣に立ったり、座ったりした。
でも何も言わない。
ただ、互いを感じてる。
(#全最愛祭 へ提供)


【愛しい妻へ】
アルバムを写真を一枚取り出す。
懐かしいな。温泉へ行ったんだ。少し山奥で道に迷って、そのせいで喧嘩した。なんで地図を逆に見てたのか。
くだらないことで怒ったな。悪かったな。なんとなく気まずい旅行になったから、この写真は笑ってないんだ。
なあ思い出せるか、旅行も、俺のことも。
(#全最愛祭 へ提供)


【愛しい卵】
人は卵から孵ったんだよ、と温泉卵を食べながらあなたは言った。
「嘘でしょ?」
「嘘だって言い切れるか?」
「だって、赤ちゃんは卵から生まれないじゃない」
「お腹の中で孵ってるんだよ。なあ?」
夫の呼び掛けに、赤ちゃんがお腹を蹴って答えた。
「違うって」
「君も受精卵だったのにな」
(#全最愛祭 へ提供)


【あなたが教えてくれた愛】
綺麗な恋なんて、したことがなかった。いつもどこか濁っていて、ドロドロと形容しがたい形になった。恋をして人が幸せになるなんて、ありえない。
でもあなたに出会った。こんなにも透き通った感情に触れて、涙が嬉しい時にも流れるんだとわかった。これが愛だと、あなたが教えてくれた。
(#全最愛祭 へ提供)


【愛のかけ算】
一緒に卓球をして汗を流し、一緒に温泉に入って汗を流す。
旅館の部屋に戻って、ふたつ並んだ布団の右と左どっちで寝るかで軽く揉めて、
結局俺が右で、お前が左。
「俺とお前がどっちでも、変わらねえだろ」
「バカだろ。俺とお前の右か左かは、超重要だぜ」
「布団のことだろ?」
「そうだよ」
(#全最愛祭 へ提供)


【確信犯】
好みだわ(この味)、
好きだー(この本)、
めっちゃ気になる(肩についたゴミ)。
毎日話しかけられて、好きとか気になるとか言われてる。それは遠回しに、好意を伝えてる?
「私、好きな人にはハッキリ好きって言えないタイプなんだよね」
君は、主語を使わない確信犯。
(@46_ispyyyy さんの #締め より)


【愛してるから言えなかった】
手を繋ぐぐらい、なんとも思わなかったわ。私たちは親友だから。
色んなものを分かち合えた。飲み物も、時間も、恋話も。
でも現実のひとりの男性だけは分かち合えなかったわ。
奪われたあなたを、親友の私は取り戻せない。
昔からずったあなたの事が愛してたのに、愛してるから言えなかった。
(#全最愛祭 へ提供)


【家事しないロボット】
「雨には勝てまセン。さびマス。暑さ寒さにも勝てまセン。オーバーヒートしたり、エンジンがかからなくなりマス」
今日も不調の家事ロボット。
買ってから一度も外に出したことは無いし、エアコンで年中一定の室温が保たれた家の中で使っている。
もしかして初期不良か?
「仕様デス」


【置物のような猫】
お前はいつもゴロゴロしておとなしいね。
白髪の老婆は自分の膝の上で寝る白い猫に話しかける。毎日毎日。枯木のような手で撫でられる白い猫はツヤツヤで、滅多に動かず鳴かず、置物のようだった。
しかし老婆が倒れた日。
白い猫は大声で鳴きながら、近所を走り周った。
(#twCATnovel へ提供)


【単調な生活習慣】
紫の月が昇る。不吉な前兆だと思ったら、どんぴしゃり。紫の月の光を浴びた者は、性別が逆転してしまった。
外を歩いていたカップルやグループは、その変化に戸惑って騒ぎ出す。
しかし多くの人は身体の変化に気づいていても、静かに電車に乗り続け、黙々と歩いて帰宅した。


【かけ違えたボタン】
今朝、ボタンを掛け違えてしまった。
そこからだんだん歯車が合わなくなって、ちぐはぐギクシャク。
なんてことないはずの言動にささくれ立って、余計な毛玉が作られる。
だから思い切って変なことをする。
天気が良いのに雨傘をさして、歩きながら朗読すると、ボタンのことなど忘れた。


【ネタをくわえたドラ猫】
頭の中を逃げ回る猫を追いかける。ネタをくわえたドラ猫。
つるつるしてシワの無い脳みそを器用に登って行くので、こちらは裸足になって追いかけようとするが、すべり過ぎてどうにもならない。
猫はてっぺんにある換金所でネタを二束三文に換えると、ぞんざいに投げ返してきた。

【カボチャ頭】
最近、頭がカボチャになっている人が増えた。ハロウィンが近いせいかと思ったけど、スーツ姿の会社員やセーラー服の女子高生もカボチャ頭。なんかおかしい。するとその夜、カボチャ頭のニュースキャスターが速報を出した。頭がカボチャになる奇病発見、大流行していると。
(#twHalloweenS へ提供)


【ポケットの飴ちゃん】
ポケットの中の飴ちゃんはね、お守りなの。
例えば急いでいるのにお家の鍵が見つからない時。「イタズラしないで」とお願いすると、すぐに見つかるわ。お礼に飴ちゃんを1つあげてるのよ。

交通事故に遭った伯母のポケットにはその日、飴ちゃんが1つも入っていなかった。
(#twHalloweenS へ提供)


【イタズラ、して?】
「イタズラしてください、お菓子は持ち歩きませんから」
そう公言していた君は去年のハロウィン、お化けの僕にイタズラされて、仲間になった。
そして今年。
「イタズラしてください、お菓子をあげますから」
ワンピースの裾いっぱいのお菓子を持って、君は頬を赤らめて僕に。
(#twHalloweenS へ提供)


【新米魔女の旅立ちの日】
新米魔女の旅立ちの日は、ハロウィンの夜と決まっていた。黒いワンピースを着て黒猫と出歩いていても目立たないし、箒で空を飛んでいる姿を見られても通報されない。初めてみんなの前で魔法を披露しても、きっと大丈夫。チチン・プイプイ。笑うカボチャ提灯と共に、さあ出発!
(#twTorT へ提供)


【お化けカボチャにご用心】
お化けカボチャにご用心。
まず、持ち上げようとしてはイケナイ。重さであなたを押し潰す。
生で食べてはイケナイ。あなたの歯とお腹に大ダメージ。
中をくり抜いて提灯にして放置してはイケナイ。1ヶ月後、あなたの鼻に異臭が・・・
こんなに恐ろしい、お化けカボチャ。
(#twHalloweenS へ提供)


【カーテンとペンキ】
極彩色のカーテンを、白いペンキで塗り潰す。
サイケデリックでアートな柄のそれは、昨日別れた君の趣味。
記憶を上書き保存するように、右上から左下まで丁寧にペンキを塗り重ねていく。
丁寧に、丁寧に。
ようやく極彩色が見えなくなり、おもてが真っ白なカーテンで新しい朝を迎えた。


【奇病】
頭がカボチャになる奇病が大流行。
感染源も経路も不明で、我が家では父、母、兄が。
枕が合わず寝にくいわ、頭をぶつけやすくなったと楽しく愚痴をこぼし合う家族。
一人だけ話題についていけない私。
兄のバットを振りかぶる。
そのカボチャ、割れば頭から取れるんじゃない?
(#twHalloweenS へ提供)


【続・奇病】
頭がカボチャになる奇病。無理にカボチャ頭を外そうとすると首ごと取れます、とニュースキャスターが速報記事を読む。しかしすでに、あちこちでカボチャ頭が転がりケタケタ笑う。私はもうクビだ!体が無くなった!明日から仕事も家事も勉強もしなくていい!最高の夜だ!
(#twHalloweenS へ提供)


【何も無かった】
約束したことなんか無かった。そもそも私たちの間には、何も無かったんだから。一緒に遊んで食事して、同じ部屋で泊まっても、何も無かったんだから。
だからあなたが結婚する時も、私は何も出来なかった。仕方ないよね。だから次に会う時は、私も別の名前で呼んで。
(@rin407 さんの #締め より)


【うラめしや】
うまく言えないね。
ラーメンが伸びちゃうまで待たせてごめんね。
めんどい女だってわかってる。
しんじてくれないと思うけど…
やっぱり言うね。私、昔アンタが捨てた女の幽霊で今のアンタの彼女に取り憑いてんだよ…なーんちゃって☆杏仁豆腐、食べていい?
(#twTorT へ提供)


【私の一部のあなた】
こんな時間に起きても、することは同じ。それは私の生活の一部として、あなたがすでに成り立っているからね。
おはよう。おやすみなさい。
その一言を繰り返す毎日だけだとしても、私には大切な思い出の一部になる。心に刻んだ思い出になる。


【猫警部】
「あ、猫さん、お疲れさまです」「にゃ」「あ、どうぞ。マタタビ葉巻です」「にゃ」「今回は猫さんの実力が遺憾無く発揮されましたね」「にゃ〜ん」「まさか猫さんが倒した植木鉢から死体発見に繋がるなんて。名探偵も真っ青ですよ」「にゃ〜〜ん」「そう謙遜しないで」
(#twCATnovel へ提供)


【おーい、サッカーしようぜ!】
ハッピーハローウィーン。年に一度のお祭りに、土の中から骸骨やゾンビが蘇る。今年は何をして遊ぼうか?カボチャ頭でサッカーは定番ゲームだ。
「俺、まだ死んだばかりだから、娘に会いに行って来る」
墓場の外へ行く仲間もちらほら。若いねー。俺達一族は、もう1チーム作れるぞ。
(#twTorT へ提供)


【not found】
星の数ほど会員がいるSNS。友達紹介で入会したから使い方がよくわからないし、そんなに続ける気も無かったのに。君を見つけた瞬間。これは運命とか奇跡という言葉が頭に浮かび、心の鐘が鳴った。でも翌日、いくら検索しても、君は見つからなかった。
(@AnaiAkino さんの #締め より)

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