140字(twnovel) No.8

 
■Log ; 2013年10月中旬(No.201〜237)

10月中旬〜
237.滅亡の夜/236.滅亡の予言

235.金魚で滅亡/234.カップスープで滅亡/233.品行方正な悪魔/232.世界征服猫/231.滅亡卵へ還る

230.秋刀魚で滅亡/229.男女専用車両〜滅亡行き/228.滅びれ不平等な世界/227.苦しむことなく滅亡させよ/226.世界が終わった朝

225.全滅忘祭とは/224.長靴を脱いだ猫/223.恋のトラベラー/222.愛を運ぶ青い鳥/221.励まし猫

220.片思い路線に乗って/219.曖昧なキス/218.憧れの先輩/217.夢の島/216.牛乳/

215.絵の中の猫/214.雨の源/213.生きる音/212.猫の居場所/211.地下監獄/

210.深爪/209.寒い朝/208.空飛ぶ猫/207.回る世界/206.天国と地獄/

205.リレー/204.30人31脚/203.大玉転がし/202.ニャー!/201.ドテカボチャ



【ドテカボチャ】
ドテカボチャが空から降ってきた。
パパパパンプキーン!
ズンチャズンチャ。
軽快な音楽と共に、高速回転しながら降ってくるドテカボチャ。
あなたの頭が、ドテカボチャ。
となりにいた私の頭も、ドテカボチャ。
ズンチャズンチャ。
私の体の上のドテカボチャ、地面に堕ちた私を笑う。


【ニャー!】
うちの子はお風呂の前に猫になる。
ニャー!いやニャー!
部屋中を駆け回り、ゴミ箱をひっくり返して、衣装ケースによじ登る。
ようやく捕まえた私の手を、引っ掻き回して噛み付く。
それでも抱っこして、なだめて、湯舟に浸かると人間に戻ってくれた。
水面を叩いて遊んでる。


【大玉転がし】
話を聞いていなかった。目の前に大玉があるのだから、手で押して転がせばいいと思い込んでいたのだが。
スタート地点に並んだ時、ペアになった父兄とじゃんけんして、負けた僕は大玉の中へ。
あれ?こんな競技だっけ大玉転がし?
ピストルの音と同時に、天地が逆転。
(#twnvday #ツイノベバトン へ提供)


【30人31脚】
1クラス30人の生徒がスタートラインに並び、一斉にゴールを目指す。
1、2、3、4、5、6、7、8!
腕の振り、太股の上がり具合、ゴールまでの歩幅と歩数。横一直線を乱すことなく、いかに早く美しく、笑顔でフィニッシュするか。
クラス対抗戦に大切なのは、協調性らしい。
(#twnvday へ提供)


【リレー】
足が遅いから、運動会は苦手だった。でも鬼ごっこが大好きで、走るのは嫌いじゃないかった。嫌いなのは「ビリ」って順位。
絶対にもう取りたくない!と走り続けた私は、6回目の運動会でリレーの選手に選ばれる。
1位は取れなかったけど、順位より大事なものを手に取った。
(#twnvday へ提供)


【天国と地獄】
父兄の運動会は、早朝から始まる。
まず父は場所取り。午前7時に上がる、開催を知らせる花火が合図。ブルーシート片手に、グラウンドへよーいドン!
家では母が運動会のお弁当作りと朝ごはん作りと子供達の支度で、時間と競争中。
「天国と地獄」は、早朝からずっと鳴りっぱなしだ。
(#twnvday へ提供)


【回る世界】
ぐるぐると同じことに悩みすぎて目が回ると思っていたら、世界が回っていた。私が悩むほど回転が速くなる。犬を散歩中のおばさんや小学生が、遠心力で飛んでった。自動車や家、大きな木までも根こそぎ飛んでった。
何も無くなった世界の中心で、無心になった私の意識が飛んでった。


【空飛ぶ猫】
空飛ぶ猫が現れた。
背中のぜんまいを3回まわすと、肩から生えた翼が広げ、パラグライダーみたいに空を飛ぶ。
そんな猫、いるものか。いるなら見せろよ!と、クマのぬいぐるみが言った。フランス人形も僕を笑う。
本当にいるんだよ!僕と同じぜんまい式の、空飛ぶ猫が。
(#twCATnovel へ提供)


【寒い朝】
朝がだんだん寒くなってきた。冷たくて赤くなった指先に、はぁーと息を吹きかける様子。真っ赤になった小さな耳も可愛い。手袋、忘れて来ちゃった…と悲しそうに言うから、右のポケットを貸してあげた。仕方ないな。明日も忘れて来ていいよ。
(#世界もっと愛したい協会 へ提供)


【深爪】
柔らかな肌に、真っ赤な筋が刻まれた。
私は少し手を払っただけ。前が見えなくなっていただけなのに。
あなたをこんなに痛々しく傷つけた。ごめんなさい。今の自分が大嫌い。
もうあなたのことを傷つけたくなくて、深く爪を。視野を広げたくて、前髪を切った。
(@AnaiAkino さんの #締め より)


【地下監獄】
冷えた指先を伸ばした先も、ただの冷たい壁。今日は暴風雨だと、格子の外から漏れる声で聞いていた。雨音さえ聞こえない無機質な地下では、あらゆる感覚が失われていく。あなたが流した血は温かかっただろうか。私が流した涙は冷たかっただろうか。失った感覚は、取り戻せない。


【猫の居場所】
猫はいつも自分が居心地の良い場所を探している。
夏は日の当たらないフローリングの廊下の上。
冬は湯たんぽが入った毛布の上。
目を細めて喉を鳴らす猫。
失恋して泣いている私の膝の上でもそうするのは、慰めているんじゃないのよね。飼い主の不幸は蜜の味なのよね、きっと。
(#twCATnovel へ提供)


【生きる音】
始まった時は、何も見えなかった。やみくもに叫んで、口に触れた何かを懸命に吸い込んだ。
やがて目が見え、音が聞き分けられるようになった。
言葉を理解して、君と話して、キスをして。
家族がたくさん出来たから、終わりが見える瞬間は、どうやら音が聞こえるらしい。
(@amenote07 さんの #締め より)


【雨の源】
人が流した涙は、全て雨になって降ってくる。
お腹が空いた。
好きな人にふられた。
身内が死んだ。
毎日毎時間毎分毎秒、世界中で誰かが泣いているから、世界中で雨は降り続いている。
それを知らない誰かが呟いた。
こんなにたくさんの雨はどこから溢れてきたのだろう。
(@oto_no_ya さんの #締め より)


【絵の中の猫】
絵の中の猫が可愛い。ふわふわの繊細な毛並みに触れたい。
そう思いながら毎日その絵を見ていたら、ある日そこから猫が飛び出た。大きな瞳で見上げて、ふさふさの尻尾を振る。
感激して猫に撫でたが、その感触は固くてベタベタ。油絵だった猫は、もちろん絵具で出来ていた。
(#twCATnovel へ提供)


【牛乳】
牛乳は、ほんのり甘い味がした。ずっと昔に味わった甘さに似ていたのかな。毎日飲んでも飽きない味だった。
でも最近、牛乳はコーヒーをたまに割るものになって、コーヒーを毎日飲んでいる。
時々、あの甘さが恋しくて牛乳を飲むけど、大人になってからはなぜか味気なかった。


【夢の島】
夢の島に無いものなんて無い。食べ物、着る物、暮らしに必要な物。綺麗じゃなくても、何でも手に入る夢の島。
堆積した生活用品の中には、生死を問わず、たまに人間も埋もれている。現実から逃げてきたのか、追われてきたのだろう。
ようこそ夢の島へ。ここでは何でも受け入れている。


【憧れの先輩】
通勤ラッシュを外した電車の中で、あの人を見た。今は同じ学校ではない、憧れだった先輩。
もう姿を見ることも、同じ電車に乗ることも無いと思っていたから、声をかけるタイミングが掴めない。
そろそろ次の駅。そこで降りてしまうかも。
ただ「おはようございます先輩」でいいのに。


【曖昧なキス】
友達以上恋人未満なんて言葉があるから悪いの。
友達は友達。恋人は恋人。
手を繋ぐのは友達。キスをしたら恋人。
このくらい明確にしてよ。
じゃないと、さっきじゃれた勢いでしたキスと私の気持ちは。
ごめん、友達のままがいいって、すぐに謝られたら。私も、うん、しか言えないよ。


【片思い路線に乗って】
片想い路線に乗ってしまった。同じ電車に乗り続けて、もう7年。途中、ぶらり途中下車をして気分転換。改札機の前で違う路線の切符も買ってみたけれど、ホームに立つとまた同じ電車に乗ってしまう。本当は終着駅なんて無いことは、だいぶ前からわかっているのにね。
(「片思い路線に乗って」#書き出し より)


【励まし猫】
君がメソメソしている時は、たくさん慰めてあげる。
いつもはすぐに怒るけど、今だけぼくのシッポも触っていいよ?涙に濡らした頬も舐めてあげる。
さあ、元気出した。ぼくはお腹が空いてきたし、そろそろ猫じゃらしで遊びたいんだ。元気になって、ニコニコしてよ。


【愛を運ぶ青い鳥】
青い鳥は虐殺されませんでした。
あなたの愛を運んでくれる、大切な青い鳥。
幸せは人を慢心すると非難されても、愛するより愛される喜び知ってしまったら、もう。
羽毛のように柔らかく温かな愛は、目に見えるものすべてを、愛しさへと変えてくれました。
(@sarukotonagara さんの #書き出し より)


【恋のトラベラー】
恋愛快速電車は快適ね。
次は初デート駅、そして告白駅。終点はもちろん失恋駅だから、すぐに乗り換える。
両思い駅になんて、最初から目指してないの。私は恋に恋するトラベラー。
ほら、また快速電車がホームへ着いたわ。
次は年の差系の、片思い路線に乗って。
(「片思い路線に乗って」#締め より)


【長靴を脱いだ猫】
世界を旅した猫がいました。
猫には故郷がありませんでした。
豪華客船の貨物室で産まれましたが、その船は氷山にぶつかり沈没しました。
猫は世界中を探し回って、自分の居場所を探しました。
そしてようやく。
優しい王子に撫でられて、長靴を脱いだ猫は、眠りにつきました。
(#twCATnovel へ提供)


【全滅忘祭とは】
#全滅亡祭 とは。
#世界もう滅ぼしたい協会 とは。
その問いかけ答える人はもういない。
たった1つの世界は、たった1秒で消滅した。
残留思念だけ、消えるまで問いかけ続ける。
滅亡とは。
世界とは。
人とは。
(#全滅亡祭 へ提供)


【世界が終わった朝】
世界が終わる瞬間まで、一緒にいると約束した。
ぼくたちは同じ寝床で隣り合って眠ったが、翌朝、君だけ目覚めてしまった。
何もない世界。
ぼくの名前を呼ぶが、返事はない。
どうして、と泣き叫ぶ君。
光のない世界に取り残された、憐れな君が自分の世界を終わらすことさえ、ぼくは祈れない。
(#全滅亡祭 へ提供)


【苦しむことなく滅亡させよ】
大洪水は起こしません。
火の玉も降らせません。
熱いのも寒いのも駄目。
誰かが誰かに手をかけて生まれる心の痛みも許容範囲外。
誰一人として苦しむことなく、完璧に世界を滅ぼす方法とは?
#世界もう滅ぼしたい協会 の定期テストの問題。
協会員はみんな悩んだ。
これは頭が痛い問題。
(#全滅亡祭 へ提供)


【滅びれ不平等な世界】
平等な世界を目指しましょう。
争いのない平和な世界を作りましょう。
生まれた瞬間から、この世界は不平等。
平和なんてこの世のどこにも無い。
だから、ここでは無い場所にあると誰かが言い出したのを、皆が信じた。
身が滅びれば魂は平等。
その先にあるのが平和。
皆、手に武器をとって。
(#全滅亡祭 へ提供)


【男女専用車両〜滅亡行き】
片想い路線に乗ってみませんか?と、運賃無料券を貰う。いま恋してないし、まあいいかと駅へ。
乗り込んだ電車は女性車両?若い子も年配者もみんな女性で、イケメン車掌に片思い。制服姿に眼鏡なんて…素敵じゃない。
何千両と続く車両から誰も下車せず、男女が別れた世界は滅びてしまった。
(#全滅亡祭 へ提供)


【秋刀魚で滅亡】
今日の秋刀魚雲は、妙にリアル。銀色の腹を見せながら、空の高いところを群れで泳いでいる。焼いて食べたら美味しそう、と思った矢先。秋刀魚の群れの先頭が、こちらに向いた。地表に近付く秋刀魚の群れ。一匹ずつが飛行機より大きかったのは、遠近法の…
(@sarukotonagara さんの #滅亡お題 より)


【滅亡卵へ還る】
全滅亡祭が始まったので、卵に還った。
卵から孵った時は、こんな日が来るなんて思いもしなかった。
巣立った鳥が生まれた巣に帰らないように、私は過去を顧みない人間だったことを省みる。
でも原点に返って、気付くこともある。手足が無くなり、却って動きにくい。
(#全滅忘祭 へ提供)


【世界征服猫】
世界中の猫が二本足で立ち上がり、謀反を起こした。
我々はただゴロゴロしている生き物ではにゃい。あくびをしてうたた寝しながら、ずっと世界中の仲間と連絡を取ってきたにゃ。この世界は今から、我々の支配下へ。立場逆転にゃ。さあ、卑しくゴロゴロするにゃ人間共!
(@ce1039さんの #滅亡お題 より)


【品行方正な悪魔】
シワのないダークグレーのスーツを着た、折り目の正しい悪魔が現れた。
二千年以上前から予告して参りましたが、本日を持ちまして、我々はこの世界を滅ぼし、みなさんを理想郷へと移動します。あくまでも、清く正しく美しくが、我々の信条です。
(@harukaumino さんの #滅亡お題 より)


【カップスープで滅亡】
初めに降ってきたのは、甘くて溶けない粉雪。あっという間に世界を真っ白に埋め尽くした。突如として降り出した、
大量の熱湯の雨。粉雪は溶けたが、世界は浸水した。
最後は大地震。天地がわからなくなるほど揺さ振られた後、世界は何者かに飲み込まれた。
(@hyuugahikage さんの #滅亡お題 より)


【金魚で滅亡】
誰かに飼われる人生はもうまっぴら。
ある夜、屋台から逃げ出した二匹の金魚は、川で繁殖して何万匹もの群れになり、海へと流れた。栄養豊富な海で金魚は巨大化し、本来いた海の生物は食べ物を奪われ日光を遮られ、やがて死滅。
真っ赤な海を、金魚が悠々と泳ぐ。
(@naholograph さんの #滅亡お題 より)


【滅亡の予言】
発掘された預言書によると、7の付く日に生まれた子は世界を滅ぼす種になる。王は災いの子らを虐殺しました。第一王妃の王子も例外ではありませんでした。第二王妃はほくそ笑みましたが、新たな預言で2の付く日に生まれた我が子が、次の日虐殺されました。
(@kiyoshiro_aoi さんの #滅亡お題 より)


【滅亡の夜】
席に着いて、フィナーレ待つ。
やり残したことはたくさんあるけど、もう力が無い。
見上げた空は綺麗で、流れ星が見えて、こんな素敵な星空の元で滅びるなら、それも悪くないなんて思う。
本当に穏やか、滅亡の夜。
(#全滅亡祭 へ提供)

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