【現代パロディです】
クリスマスイブと言っても、いつもと変わらず慶次たちと六文銭で遅くまで飲み明かした。
とくに変わったことはない。
二人が恋人同士と呼ばれる関係になってもそれは変わらなかった。
「大丈夫ですか?」
少し飲みすぎた様子の助右衛門に兼続は訊ねた。
「大丈夫です」
やはりやや、ふらついている。兼続は横に寄り添うように並んだ。
歩く道はクリスマスソングが流れていて、嫌でも耳に届く。
やけに幸せそうな歌ばかりで、クリスマスに友人と飲んでいるのは悪いことのような気がした。
「クリスマスは二人で過ごしたかったですか?」
歌に紛れて、そう聞いてみた。
助右衛門はこくりと頷き、「正直なところは」と言った。
勿論、慶次と飲むのは楽しい。今日も勿論、楽しかった。だけど、心どこかは二人で過ごしたいと思っている気持ちもあった。
酒が入ってるせいか、それを素直に言ってしまった。しばらく歩くと、人通りのない暗い道になった。
人はいない。二人だけだ。
兼続がきゅっと手を握った。
「明日もまだクリスマスですし、今から二人で過ごしませんか?」
「・・・はい」
助右衛門は頷くと、兼続の手をぎゅっと握り返した。
終