「わしのことは好きか?」
「ん?何だ、突然」
「わしのことは好きか訊いている」
「好きだぞ」
「・・・どこがだ?」
「どこが?」
「顔とか、性格とかあるだろう!」
「性格・・・・」
「・・・・・・・・・なんだ?」
「全部好きだ」
「全部?嘘を言うな!わしは背も貴様よ「兼続」
「話してる途中じゃ!」
「兼続」
「・・・・わしは兼続より背も低いし、顔も・・・きさ・・・兼続より・・・・どこが好きだと言う!?」
「言っていいのか?」
「いや、待て」
「訊きたいのか訊きたくないのか、どちらだ」
「・・・う」
「確かに、政宗は口も悪い。背も私より低いかも知れないが、それがなんだ?」
「なんだとはなんだ!」
「気にしてるのか?」
「・・・・・」
「そんな政宗が好きだぞ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「なんだ?熱いのか?換気でもするか?」
「・・・・・・いい」
「ともかく、私は政宗が好きだ。それ以上の理由が必要か?」
「・・・・・」
「やはり顔が赤いぞ?熱いのではないか?」
「熱くないわ!寒いくらいだ!!」
「そうか。近くに来るか?」
「・・・・・・」
「今日はやけに素直だな」
「煩い、馬鹿め。寒いだけじゃ。兼続で暖をとってやるわ」
「はははは」
「・・・・・外、雪が降っているな」
「そのようだ」
「・・・・・・」
「政宗は私のことが好きか?」
「・・・・・・・・・・は?」
「わしのことは好きか訊いている」
「真似か?」
「真似だ」
「似ておらん」
「・・・好きか?」
「・・・・・・・・・・・・・・好きじゃ。悪いか。兼続の麗しい顔も、その暑苦しい性格も・・」
「うん」
「見上げなければならない背も、何もかも好きじゃ。参ったか!!」
「参った」
「だ、抱き締めるな。暑苦しい」
「うん」
「嘘だ。やめるな」
「うん」
「何か話せ!!」
「仕方ない!私が愛について語「それはいい」
「言わせろ!」
「聞き飽きたわ!!」
「可笑しな奴だ」
「貴様がな!」
「兼続」
「兼続がな!」
「政宗」
「なんだ?」
「好きだよ」
「・・・・・照れるからもうよせ!」
「ははは」
「わしも好きだわ、馬鹿め」
終