兼続を腕に抱きながら、その身体を揺すった。
突いた部分からは、蜜壺のようにとろとろと愛液が流れ出る。
痩せ細ったとはいえ、くねりながら喘ぐ兼続は美しかった。
夢にまで見た感触に、兼続から与えられる妖しく甘美な快感に幸村は溺れた。
「私は…寂しかったのだ……」
ぽつりと兼続はそう告げた。
肌に浮かんだ汗が、流れるのを幸村は見つめた。
「最初、あの子には弁丸という名をつけた…幸村の幼少期の名だ……名のせいか…血のせいか……お前に似てきたよ。声変わりを終えた頃には瓜二つになった」
兼続は息を吐いた。
深い落胆が篭っている。
「似てくるあの子を……私は酷い母だな……」
つぅっと兼続の頬を涙が流れた。
一つの雫が顎から落ちると、次から次へと頬を濡らした。
「私は……あの子の人生を………」
濡れて言葉が紡げない。
「兼続殿…」
幸村が兼続に手を伸ばそうとした瞬間、子が駆け寄り幸村の手を叩いた。
「…泣かさないでください」
キッと幸村を睨みつける。
「良い…泣かされたわけではないよ」
兼続は、子の幸村を抱き寄せると、頭を撫でた。
「……私は…お前の人生を駄目にしてしまったな」
「そんなことはありません!!私は…お傍に居れて、とても幸せです」
優しい微笑を浮かべると、兼続の頬に頬をすり寄せた。
「それでも、駄目な母親には違いない……子のお前に抱かれて生きていてな…」
兼続は、はぁと一際深い溜息を吐いた。
「私は…この子に抱かれていたのだ……」
幸村の方向を見ると、笑みを浮かべた。
それは酷く悲しい。
先程も、子から聞いてはいたが、幸村は己と兼続の血が繋がった子に、兼続が抱かれているという事実に嫌悪感は全くなかった。寧ろ、若い頃の己に似た子に抱かれている姿を考え、体が興奮を覚えた。
どう、抱かれていたのかと気になった。
「…見せてくれませんか?」
言葉を聞き、一瞬戸惑った表情を見せたが、兼続は解ったと頷いた。
子の幸村は兼続が頷いたと解ると、ゆっくりと口付けていった。
口から頬へ、顎へ、鎖骨へ、そして乳房へ。
「んっ…」
ぴくんと兼続の身体が震える。
子は乳房の先端を口に含むと、舌先で転がした。突起を弄る度に兼続の口からは甘ったるい吐息が落ちた。
今の兼続を過去の己が抱いているかのようだった。
子の若く硬いものが中を突けば、淫水が大量に溢れ出てくる。
それを見ながら、幸村はふぅっと荒い息を吐いた。
兼続は身体を起こすと、子に跨がった。下から突かれ、揺さぶられながら、幸村の方を見た。
手を伸ばす。
「幸村もおいで…」
突き上げてくるものに合わせて、腰を使い喘ぐ兼続の白い乳房が揺れる。
言葉に、手に、誘われ寄った。
後ろから抱き締めると、立ち上がった己のものが臀部に当たる。刺激で、それは震えた。
喘ぎの声を聞きながら、幸村は兼続の乳房を揉んだ。一層、吐息が深く甘くなる。息が弾む。
兼続は幸村のものに手を伸ばした。
相変わらず、そこは熱い。
滴る愛液で指を濡らすと、二つの膨らみの間の蕾にそれを誘導する。
「何を…」
幸村のものに液体を塗りたくるようにし滑らせると、中へと押し入れた。
「くっ…う、ふ…」
ぎちぎちと締め付けながらも、それは中へと入った。陰戸と変わらぬ、快感と温かさ。
壁を隔てて、子の幸村のものが当たるのが解る。腰を振れば、それに当たり、子までも快感を与えた。
「あっ、あぁ、ああ」
二人から攻め立てられ、兼続には言葉にはし難い、今まで感じたこともない快感が襲った。
宵が明けるまで、何度も身体を交え、大きな絶頂の快感に貫かれれた。
「行くのですか…?」
寝ている二人を起こさぬよう、起きたつもりの幸村であったが、子は幸村にそう声を掛けた。
「昨日はその……」
昨日の非礼を詫びようとするのが解り、言葉より先に幸村は柔らかな笑みを浮かべた。
「気にしなくて良い」
子の髪を撫でた。
確かな感触は、幸村に己の子なのだと自覚させた。
「守ってやって欲しい……私の代わりに」
言葉を聞くと、子の幸村はこくりと頷いた。
もう一度、髪を撫でた。
(父親らしいことは何一つしてあげられなかった。最後まで…)
知らなかったとはいえ、それは幸村の心を痛ませた。
「そういうとこに母は惹かれたのかも知れませんね…」
子は、幸村の心の内を表情から読み取り、そう告げた。
兼続も言葉にせずとも、気持ちを組むのが巧かったと思い出す。
「道中、お気をつけて……父上」
恥ずかしそうなはにかんだ笑顔を向けた。
「ありがとう」
感謝の言葉しか口から出なかった。 そう言うと、背を向けた。
「お元気で」
空を見れば、これ以上ない快晴だった。雲一つ無い空から地上へと目線を戻すと、幸村はゆっくりと前へと歩みを進めた。
終
父幸村と子幸村に攻められる兼続いいな!!と急に思いまして、書いてみたのですが、どうなのでしょうか…。
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