兼「こんにちは」
就「やあ、こんにちは。遊びに来てくれたのかい?」
兼「はい。あの…これを」
就「ん?桜桃かい?わざわざ、お土産なんて持ってこなくてもいいんだよ。君はこの家を我が家だと思って来てくれていいんだ。むしろ、この家に嫁に来てもいいんだからね?君に似合う白無垢なら用意してあるから…ごほん。まぁ、そんな話は置いといて、持って来てくれた桜桃でも食べようか」
兼「…(白無垢?)…はい」
就「ん、美味しいね。さぁ、食べさせてあげよう。お口をあけてごらん」
兼「じ、自分で食べられますよ?」
就「いいや、私が食べさせてあげたいんだ。ほら、あ〜んして」
兼「は、はい」
就「あ〜ん」
兼「あ、〜ん」
就「良い子だ。ほら、甘くて美味しいだろう?」
兼「そうですね」
就「そうだ。君はこんな話を知っているかな?桜桃の茎の部分を舌で結べる人は口吸いが巧いそうだよ」
兼「そうなのですか?」
就「試してみようか。ここに三本の茎がある。これをだね…こうして…で、こうだ。おや?こんな形になってしまった」
兼「元就公、それは言葉で表せないくらいに複雑に絡み合ってますが…」
就「私は口吸いが巧いってことかな?どう思う?」
兼「わ、私には解りかねます…」
就「そうか…。うん、これはどうかな?君が巧いかどうか判断するっていうのは」
兼「それは私と口吸いをするということでしょうか?」
就「そうだね」
兼「え…あ…は、はい」
就「ん?どうしたのかな?顔が真っ赤だよ?熱でも出てしまったかな?」
兼「熱はないです…」
就「それとも、私との口吸いが恥ずかしくて赤くなってしまったのかい?」
兼「解っていらっしゃるなら聞かないでください」
就「ははは、君がつい可愛いから意地悪をしてしまったよ」
兼「う、あ…」
就「君は本当に可愛いね。食べてしまいたいくらいだ」
兼「食べ…」
就「あはは、冗談だよ。冗談」
兼「元就公、目が本気なのですが…」
就「ん?そうかい?」
終