(※やや性的表現あり)
政宗と兼続は身体を重ね合っていた。
「ふ、…あぁ、あ…」
小さく喘ぎを零しながらも兼続は、時折かくんと眠りに入りそうになっていた。
暫くすると、やはり眠りに落ちた。
「兼続、抜くぞ」
「駄目だ、政宗!」
抜こうとすると覚醒し、それを拒む。
しかし、直ぐにこくんこくんと船を漕ぐ。
眠いなら寝れば良いのに、と政宗は兼続を見ながら思う。
兼続は疲れているのは知っている。だが、兼続は求めてきた。
結局は耐え切れず、寝てしまうのだが。
「兼続、いい加減わしも寝たい」
名を呼べば、ぐいっと兼続の胸に寄せられた。
思わず体重を乗っけてしまう。
そのまま寝ろということらしかった。
「重いじゃろ」
「へいきだー…」
そう言葉を発したと思えば、こっくりこっくり。
あっさりと平気と言われてしまうのが何だか切ない。
すぅすぅと寝息と共に揺れる、兼続の胸。
耳を当てれば聞こえる鼓動。
「繋がったまま、どう寝ろというのじゃ」
ぶつぶつとそんなことを言いながらも、兼続の鼓動に安心した。
寝息と鼓動とを交互に聞いていると、こちらまでもうとうととし始めた。
(こんなに安堵して眠りに着くのは…)
兼続の身体の熱でぽかぽかとあたたかくなった。まるで太陽に当たっているようだった。
うつら、うつら。
二人はそのまま、深い眠りについた。
心地よい深い眠りに。
政宗は夢を見た。
今まで見たことのない。
心あたたかくなる夢だ。
内容までは覚えていないが、起きたときにやけに心があたたかだった。
目を覚ませば、兼続がこちらを見ていた。
「なんじゃ」
「寝顔見てた」
「ふん、悪趣味なやつめ」
「ふふっ」
その夢は兼続が居た。
それは覚えている。
兼続は笑顔だった。
今と同じ変わらぬ笑顔だった。
終