三「もう、いらんな…」
いらなくなった書物を紐で縛っている三成
兼「……」
そして、それをじっと見つめる兼続
三「なんだ?」
兼「それは捨ててしまうのか?」
三「そうだが…どうした?」
兼「貰っても良いか?」
三「構わん。もう俺には必要ないものだ」
兼「まだ綺麗なようだが…」
三「俺の頭にはもう入っている。それにいい加減、部屋が片付かんからな。左近にも怒られたばかりだ」
兼「左近殿は母御のようだな」
三「口煩いものだよ。折角、おねね様とも離れたばかりだというのに」
兼「寂しいのではないか?」
三「まさか」
兼「ふふふ…」
三「止してくれ、兼続」
ふ、と縛ってある紐に目を落とす兼続
三「?」
兼「面白い縛り方だな」
三「そうか?」
兼「どういう縛り方なんだ?」
三「それはこうして、あぁしてだな」
兼「解らん。私を縛ってはみないか?」
三「…は?」
兼「いや、解りやすいだろ」
三「そうか?」
兼「まぁ、ものは試しだ」
三「解った」
紐を取り出してくると、兼続を縛り始める
兼「キツいぞ、三成」
三「すまない」
左「殿ー。お茶入れて来ました!開けますよー」
がらりと襖が開き、入ってくる左近
左「……何してるか聞いていいですか?」
三「聞くな!」
兼「縛られているのだよ、助けてくれないか」
左「殿、そんなご趣味が…知りませんでした」
兼「不義だろう?三成は」
左「えぇ、そうですね」
三「さこーん!!兼続も止めろ!きちんと伝えろ!」
兼「ただ、そこの書物を縛るやり方が珍しいから、私で縛って見せてもらったのだよ」
左「へぇ…そうでしたか」
三「まだ疑っているだろ!!」
左「まさか、この左近が殿を疑うと?」
三「先程は疑っていた!!」
左「嫌ですねー殿は直ぐ人を疑う」
兼「不義だな」
左「不義ですね」
三「兼続!!左近!!!!」








三成は縛るのが得意です。






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