「受け取れ」
「なんだ?」
「…お返し。一応、もらうものもらったからな」
「あれはお前が!!」
「俺が?」
「なんでもない!」
「……」
「……清正」
「ん?あ、あぁ?なんだ?」
「これ……」
「なんだ?」
「バレンタイン…あんなのだったから、作ってきてやったぞ」
「ふぅん、何?」
「トリュフ」
「手作り?」
「一応、な。・・・もう開けるのか?」
「腹が減ったからな。喰う」
「動物みたいな男だな、お前は」
「兼続も喰ってやろうか?」
「ご遠慮致します」
「ふん」
「どうだ?美味しいだろう?」
「美味いんじゃねぇか?それなりに」
「それなりはいらぬ」
「う・ま・い」
「うん」
清正の言葉に兼続は微笑した。
あまりの笑顔に清正の心臓の鼓動が高鳴る。
気付けば、無意識の内に兼続を抱き締めていた。
「清正?」
「なんだ?」
「それは私の言葉だ」
「うん?」
「…清正は、私が好きなのか?」
「言っただろう?好きだ、と」
「私をからかっているのだと思っていた」
「信用ねぇなぁ」
「日頃の行いが悪いからだ!」
清正は顎を軽く持ち上げると、濡れた唇で兼続の熱を求めた。
乾いた兼続の唇の柔らかさは、清正の感情をはっきりさせるのには十分で、一度唇を離すと、「好きだぜ」と呟いた。
もう一度、重ね合わせるだけのキスをして、唇を離した。
兼続をちらりと見れば、目がとろんとしていた。
気持ち良かったのだと解り、清正はふっと鼻で笑う。
「俺はお前が好きだが、お前は俺が好きか?」
「人にものを尋ねる態度ではないぞ!!」
「どっちだ?」
「…………・」
「ほら、言えよ」
「……好き、だな。多分」
「多分はいらねぇだろ。多分は」
「…好き」
言葉を聞き終えた後、清正は乱暴に兼続にキスをした。
歯列を舐め、舌を絡める。
吐息が重なり合う。
兼続も清正の熱に夢中になりながら、舌を差し出した。
軽く吸われると、じんじんと甘く痺れた。
終