争奪戦スタート


三「左近、兼続はどうした?」

左「はぁ、はぁ、ちょっと…、はぁ、はぁ…まってください…」

三「きちんと何も手を出さずに連れ帰ってきたのだろうな?」

鉄扇を手でぱしんぱしん

左「きちんと、はぁ、あちらに・・・はぁ、はぁ」

手を指差した先には、巨大な赤い布がしかれた七段もある雛壇があった
その一番上、右側に兼続が寝かされているのが見えた

三「な、何だあれは…」

よく見ると、女雛の格好ではなく、白無垢を着せられている

左「白のが似合うでしょう?」

キラッ

左「あと、一番初めに見た相手に惚れるように薬飲ませてありますから!」

三「!?」

部下の本気を見た上司であった

→殴る
 鉄扇で亡き者にする

三「やりすぎなのだよ!」

ばきっ

左「へへっ、あんた良いパンチ持って・・・・」

ずしゃっと倒れる左近
左近脱落

三「人を殴ると手が痛いな・・・次はこちらにしよう」

鉄扇ぱしんぱしん

三「さて・・・・」

三成は巨大な雛壇を見上げた
一段一段が巨大なそれは、一段昇るのすら苦労しそうな品物だ

三「よくもまぁ、こんなものを・・・」

ぶつぶつと言いながら、檀に手をかけた

三「むっ」

三成がさっと避けると、その横を槍刃が飛んできて雛壇に突き刺さった

三「なんだ。もう抜けてきたのか・・・目障りな」

三成の前には清正がいた
身体の周りには鉄で出来た鎖が巻かれている

清「三成、貴様ぁ・・・」

眼は血走り、はぁはぁと荒く呼吸していた

清「よくも俺を鎖で」

三「そんなことより、あれを見ろ」

清「あん?……は?なんであいつが…」

三「兼続が目を覚ましては不味い。一番初めに見た相手に惚れる薬を飲まされているらしいからな…」

清「誰だよ、そんなことしたやつは!しかも着てるのが白無垢じゃねえか!!」

三「…(まさか、左近がとは言えない)」

三成は左近が親指を立てて立ち上がろうとするのを、ぐしゃりと踏んだ

清「・・・・惚れ薬・・・・やっかいだな」

三「清正・・・・」

清「なんだ?」

三「あわよくば・・・・などと考えてはおらぬよな?」

清「あわよくば、なんだ?」

三「兼続に惚れてもらいたいと・・・・」

清「それは・・・「兼続殿ーーーー!!」

清正の声を邪魔する者が一人、幸村だ

三「幸村、先程は・・・「それより兼続殿は!?あー!!」

雛壇一番上を指差す

幸「し、白無垢!?え?え?」

幸村は混乱している

三「(薬の件は黙っておこう)って清正、貴様!!」

目を離した隙に清正は、二段目へと手を伸ばしているところであった

三「こうしては「兼続殿ーーーー!!」

三「何処まで邪魔を「兼続殿ー!」

三「幸む「兼続殿ーーーーーー!!」

清「目を覚ますだろっ!!黙ってろ!!」

三「貴様も十分煩い!」

清「何だと、三成…此処でやろうっていうなら、乗ってやるぜ?」

ぎゅるるるるるる

三「いいだろう、此処で決着をつけるべきだな」

ぎゅるるるるるるるるるる

清「来い、みつ、ぶっ!!」

清正の顔を誰かの足が踏んだ

三「あ?え?」

え?で上を見れば、半兵衛と、半兵衛に掴まる官兵衛の姿があった
どうやら、官兵衛の身体の長さを考えていなかった半兵衛が着陸の際に、目測を誤ったらしい

踏まれたことにより、清正脱落

半「あれ〜?ごめんね」

すたんと、二人は雛壇の上へと降りた

三「まさか…兼続を?」

半「昼寝の枕に良さそうだからさ」

三「(兼続を枕代わり!?)」

官「職務が忙しい…」

三「(兼続を猫の手代わり!?)そんな無粋な気持ちでこの戦に関わってもらっては困る!」

官「戦?かのような、くだらぬこと「でも、官兵衛殿は参加したかったんだよね?」!?」

三「……は?」

官「………違う!」

どごーん!
雛壇横から手が出、穴を開けた
そこから、すたんと檀の内側へと降りて官兵衛逃走、そして脱落

半「あーーーあ、官兵殿恥ずかしがって行っちゃった」

三「恥ずかしが・・・?えぇ?」

半「じゃ、俺行くから〜」

ぎゅるるるるるると羅針盤は回ると半兵衛の身体を持ち上げた

三「そうはさせないのだよ!!」

半「あ〜」

鉄扇から発せられた風により、遠くに流れていく半兵衛
半兵衛脱落







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