指定表現あり、注意!!
「起きたか、慶次」
慶次が目を覚まし、リビングへと行くと、自分のシャツを着た兼続が椅子に座り、コップに注がれた何かを飲んでいた。
「・・・・・・おはよ」
顔を傾げれば、ちらりと脚が覗いているのが見えた。
少し考え、頭を掻いた。
「俺の服着てるんだよな?」
「そう」
「下は穿いてるのか?」
「いや?」
「・・・・何で俺の服着てるんだ?」
「何となく」
そんな不毛なやりとりを繰り返し、自分の服を着ているのには、深い意味がないのだと理解した。
「何飲んでる?」
話を飲んでいるものにすり替える。
「ホットチョコレート。バレンタインで作ったチョコレートの余りだ」
俺も飲みたいと言えば、作ってやろうと立ち上がる。
「それでいいよ」
「そうか?」
飲みかけのコップに手を伸ばした。
兼続はそれを慶次に渡す。
(それにしても・・・いつも兼続は・・・)
誘ってるにしか思えない行為。
それでも兼続は、そんなつもりは毛頭にもない。
慶次はずずっとホットチョコレートを啜った。
「ん?」
何か言いたいことでもあるのか?と言う兼続に、何もないぜと返す。
自分にだけならいいのだが、外でもしてると思うと頭を抱えたくなる。無意識な分、質が悪い。
それが兼続と言えば、それまでなのだが。
「慶次、私も飲む」
そう言い、手を伸ばしてきた。余った袖が爪の部分のみを見せた。
慶次の頭の中で、欲情がひょっこりと顔を覗かせては、引っ込むを繰り返している。
しかも、その頭の中の欲情は、小さな兼続の形をしていたりするものだからどうしようもない。小さい兼続がちょこちょこと覗いては、引っ込んでいるのだ。
ふーと深く溜息を吐くと、慶次は目を閉じ、首を右斜めに落とした。
「何だ、さっきから」
慶次の反応に、むっと兼続は唸った。
(あんたが悪いと言っても、何も解っちゃもらえねえよな・・・)
口にホットチョコレートを含むと、兼続へキスをした。
そのまま、口の中に注ぐように飲ませる。
ん、ん、と小さく咽喉を鳴らしながら、兼続はそれを飲み込んでいった。
飲み込めなかったチョコレートが、口の端から零れ、つつつと顎を伝い、鎖骨へと流れた。
「・・・っ、服・・・汚れ・・・・」
「いいよ」
そう言うと、再びチョコレートを含み、そして飲ませる。
チョコレートが身体の下へと流れていった。
服に染みを作る。胸から腹、その下へ。
「んんっ」
暫くそんなことをしていると、兼続が急にびくんと身体を振るわせた。
慶次はその理由が直ぐに解った。
染みが臍の下まで出来ていた。
服の前を肌蹴させると、肌にチョコレートで出来た道が出来ている。
それは椅子まで続く。
慶次は兼続を抱き上げると、机の上に寝かせた。
退いた椅子にはチョコレートの溜まりが出来ている。
「けい、じ・・・・」
コップに注がれたチョコレートはやや固まり始めていたが、それをぱたたと兼続の身体に垂らした。
チョコレートが兼続の肌に当り、花開く。
兼続は、それが花開く度に身を悶えさせた。
ぽたり、ぽたりと肌に垂れる温度が気持ちよいのが、兼続の其れはゆるゆると立ち上がる。
「・・・っ、・・・・ふ・・・・・ふっ・・・・」
わざと胸へと向かって垂らすと、雫が落ちる度に焦がれるような吐息が零れた。
全てを垂らし終えると、最初に垂らした部分は固まっていた。
其処を口で吸うと、ゆっくりと体温でチョコレートは溶けていった。舌で一つずつ、綺麗に舐め取る。
「・・・・、・・・・・っ・・・・・」
兼続のものの先端から透明な液がとろりと垂れた。
それが慶次の横目に入る。
身体を舐めていた舌を一度離すと、そちらに移した。とくに味のないそれは、甘ったるいチョコレートと混じり合う。
全て慶次は舐め取った。
そして、猛ったそれを奥まで銜える。
暫く舌で愛撫を繰り返すと、あっさりと兼続は果てた。口に出された精を含んだまま、慶次は兼続にキスをする。
「んんんっ−」
唇を離せば、器官に入ってしまったのか、けふけふと咽た。
呼吸を整えると、じとっ、と慶次を睨んだ。
悪戯をした子供のように、慶次はにやりと笑う。
兼続は口を尖らせた。
またキスして、そのまま机の上で二人は身体を重ねた。
机が軋む音と、兼続の喘ぎが部屋に響く。
チョコレートの甘ったるい香りがやけに興奮を促し、何度も二人は激しく抱き合った。
「あーあ、慶次の服が汚れてしまった」
チョコレートの染みだらけの服を掲げると兼続は溜息を吐いた。
「構わねえさ」
あっけらかんと慶次は答える。
「それより、身体を洗わないとな」
兼続の身体を見た。チョコレートやら、違う液体やらで汚れている。
ひょいっと兼続を抱き上げた。
「一人で入る!!」
この先の展開が脳裏に浮かび、そう兼続は叫んだ。
「いいから、いいから」
笑いながらそう言うと、ちゅっと兼続の額にキスを落とした。
終