節分



兼「よし、今年も豆まきが終わったぞ!あとは年齢の数だけ食べれば…」

幸「お待ちください、兼続殿!!」

兼「どうした、幸村?」

幸「豆を食べるなら、こちらの豆を食べていただけませんか?」

(眩しいばかりの笑顔を浮かべる幸村)

兼「何だその黒いものは・・・。豆なのか?」

幸「竹炭大豆菓子です。同じ豆ならこちらのが美味しいですよ」

(にっこり)

兼「そうだな。では、いただこう」

幸「お待ちください!」

兼「どうした?まだ何かあるのか?」

幸「私が食べさせてあげます」

兼「自分で食べられるぞ?」

幸「兼続殿の手は今、穢れている状態なんです」

兼「なんたることだ!!私の手が穢れているだと!?」

幸「その手で邪気払いをされましたよね?」

兼「あぁ、豆を撒いた」

幸「それにより、邪気が払われ手は浄化されているように思えるのですが実は逆なのです」

兼「知らなかった…」

幸「そんな手で食べ物に触れて口に運べば、兼続殿は中から穢れてしまいます」

兼「それは困る」

幸「その点、私の手は大丈夫ですから食べさせてあげますね」

兼「頼む!」

幸「はい、あ〜んしてください」

兼「あ〜ん」

幸(・・・・・)←何か色々考えている

兼「む。やや辛いな」

幸「一味唐辛子が少し入ってますからね」

兼「しかし、美味い…」

幸「はい、次ですよ〜」

兼「あ〜ん」

(中略)

幸「これの名前、何て言うか解りますか?」

兼「竹炭大豆菓子ではないのか?」

幸「真田幸村公って言うんですよ」

兼「幸村の名前がついているのか」

幸「はい」

兼「私は幸村を食べてしまった…」

幸「そうですね。私は食べられてしまいました」

兼「すまない」

幸「兼続殿なら、いいですよ」

(すぱーんと突然開く襖)

政「食べた、食べられたなどと馬鹿なことをほざくでないわ!!」

兼「山犬!?何しに来た!!ん?孫市もどうした?」

孫「兼続と豆撒きしようと来たんだよな〜?」

政「よ、余計な事を言うな!!」

兼「豆撒きなら、疾うに終わったが?」

幸「政宗殿と撒く豆なんてありませんよ」

孫(あ、あれ?何か怒ってる?)

政「豆ならある!」

(どーんと何処からか大量の豆を出す政宗)

兼「豆なら撒いたと言っているだろう」

幸「はい、兼続殿。私を食べてください」

(無視して竹炭大豆菓子を兼続の口に入れようとする幸村)

兼「誤解を招きそうな言い方だぞ、幸村」

幸「そうでしたね、いつも食べているのは私ですしね」

孫(・・・どう見ても・・・・)

政「わしにも寄越せ!!」

幸「其方にたくさんあるではないですか」

孫(怒ってるよ・・・)

政「それを寄越せば「まぁ、政宗」なんじゃ、孫市!!」

孫「帰ろう」

政「まだ、わしはやること「帰るぞー(これ以上怒らせたら何が起こるか解らねぇからな)」

(ずるずると引きづられて行く政宗。二人消える)

兼「何をしに来たのだ、あいつらは」

幸「はい、兼続殿」

兼「もう、年齢分は食べたぞ?」

幸「自分の年の数より一つ多く食べると、体が丈夫になり、風邪を引かないらしいですよ」

兼「そうか」

(ぱくっと食べる兼続)

兼「今年は幸村のおかげで風邪引かなくてすみそうだ!」

幸「それは良かったです」









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後記

「真田幸村公」というシールが貼られた竹炭大豆菓子が上田にて売っていまして、それで浮かんだ節分限定拍手でした!





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