年齢とはやっかいなものだ。幼馴染みである名前は、ことあるごとに俺との年の差をアピールする。俺は15で、名前は17。たったこれだけの年の差で、俺の初恋は終わろうとしていた。
「名前、ずっと好きだった」 「……え?」
大きな目を更に大きく見開く名前。信じられないといった様子で瞬きを数回。
「だから、俺はお前が」 「ちょっと待って。だって、エレンは15で私は17でしょう。エレンはまだ子どもだから、」 「いつまでも子ども扱いしてんじゃねぇよ!俺はもう大人だ!」
言えば、今度は困ったように眉を下げた。
「そういう所が本当に子どもじゃない」 「違う!見ろよ、背だってもうとっくに追い越した。戦いだって俺の方が強くなった!」 「私はそんなこと言ってるんじゃないの。とにかく今はだめ」 「っなんでだよ…!」 「もう少しだけ、考えて。エレンは本当に私のこと好き?本当に恋愛対象としてなの?大切なことだから、もし興味本位でそういうこと言ってるのなら考えて直してほしい。エレンにはミカサもいるんだから」
ぽん、と俺の頭に手を置く名前。 なんで、なんで。俺は昔からずっと名前をそばで見てきた。小さい頃の2歳という差はかなり大きくて、俺はずっと守られてばかりだった。巨人が母さんを食った時だって、俺は名前に守られた。でも今は違う。今度は俺が、守りたい。そう思うのになんで。いつまでも立ちはだかる年齢の壁に、俺はどうしようもなくただ立ち尽くした。
|